うつ病等の方を対象とするリワークサービス「リヴァトレ」などを手がける株式会社リヴァでは、オウンドメディアを通じて情報を発信できるスタッフを養成するために「社内ライター養成講座」を実施しました。講師を務めたコピーライターの野村京平氏(株式会社あどアシスト)から約1年間にわたり、記事の企画から執筆、公開までのノウハウを学んできた4人の社員に「講座を通して身に付けたこと」や「今後挑戦したいこと」について率直に話してもらいました。
目次
受講生紹介
①社歴 ②所属部署/担当業務 ③執筆した記事(クリックして記事をご覧いただけます)
荻野 皓太(写真右上)
① 3年目(新卒入社) ※現在は、地元に帰って福祉施設で働くことを決意し、リヴァを卒業
② 情報システム部/社内システムの管理、Webサイト作成(受講時の情報)
③ 「復職・再就職支援って具体的に何をするの?」リワーク施設で実際にプログラムを体験してきました
涌井 陽(写真右下)
① 2年目(新卒入社)
② ラシクラ事業部/新サービスの立ち上げ
③ 新規事業に関心のある就活生必見!実際に立ち上げた若手社員の本音とは?
四谷 健太郎(写真左下)
① 3年目(中途入社)
② リヴァトレ高田馬場/支援員
③ メンタル不調による休職者3名が語る「精神科の診察での困りごと」
来迎 成美(写真左上)
① 3年目(新卒入社)
② リヴァトレ仙台花京院/支援員
③ うつ病の経験をきっかけに見つけた「森林浴」の力。森林セラピストが考える森林浴の魅力とは?
社内ライター養成講座を受講した理由
荻野:今日は社内ライター養成講座を受講したメンバーに集まってもらいました。
一同:よろしくお願いします。
荻野:最初のテーマは「受講の理由」です。まず私から言うと、社内ライター養成講座の開講理由とも重なってくるのですが、代表の伊藤さんから自社で運営しているWebメディア「リヴァマガ」の運営を任せられたのがきっかけでした。当時、ライティングを専門に行っている社員がいなかったので、リヴァマガの記事制作に興味を持っている人を募集して、社内ライター養成講座を開くことにしたんです。講師には本職のライターの方を招いて、座学と実践の両方を学ぶことにして、ライティングに興味があった私自身も参加することにしました。四谷さんは?
四谷:私は臨床心理士と公認心理師の資格を持っており、プライベートで心理学の論文を執筆する機会があったので、「文章を書く能力をもっと向上させたい」と考えていました。前職では、自社メディアの運営など情報発信の仕事は広報など専門の部署が行うものだったのですが、リヴァでは手を上げれば部署関係なくチャレンジができるカルチャーがあることも、受講しようと思ったきっかけでした。
荻野:チャレンジしやすい環境が受講を後押ししたんですね。来迎さんはいかがですか?
来迎:私はもともと文章を書くのが好きというわけではなかったんですが、上長から「社内ライター養成講座があるんだけど参加してみない?」と声をかけてもらったのがきっかけでした。当時、インスタグラムやFacebookの運用をしていたので、役立つかも知れないと思い、受講することに決めました。
荻野:既存業務に活かせるというのも重要ですよね。涌井さんは、入社してすぐに受講していますよね?
涌井:そうなんです(笑)。僕も来迎さんと同じで、上長に受講を勧めてもらいました。大学生の頃から趣味で毎日ブログを更新するくらい、文章を書くことが好きだったので、受講することにしました。今までは自分の書きたい文章を書いていたのですが、「これからは会社や社会の役に立つ文章を書けるようになりたい」と思ったんです。
荻野:スキルアップや会社に貢献できるようになるためなど、さまざまな理由で受講されていたんですね!
講座内で一番印象に残っている講座は?
荻野:次は皆さんの「一番印象に残っている講座」を教えてください。私は「メリットとベネフィット」についての講座ですね。相手の心を動かすには商品のメリット(長所)を伝えるだけではダメで、それによって相手が得られるベネフィット(利益)を伝える必要があるという内容がとても印象的でした。
来迎:私も同じく「メリットとベネフィット」の講座が一番印象的でした!今までは、私が支援員を務めているリワークサービス「リヴァトレ」のことを説明する時には、「こんなプログラムがあって、有資格者が〇人います」とサービスのメリットばかりアピールしていたのですが、この講座を受けてからは、相手の視点に立って「リヴァトレを利用したらあなたが目指している〇〇が実現できます」とベネフィットも提示できるようになりました。
荻野:講座の内容が通常業務にも活かせたんですね!同じくリヴァトレの支援員である四谷さんはいかがでしょうか?
四谷:私は「インタビュー記事制作のフロー」についての講座が一番印象に残っていますね。特に「取材準備で事前に質問案をしっかりと考えつつ、インタビュー時には話の流れを見て、質問案から柔軟に変化して対応する」という内容が、支援の面接手法の一つである「半構造化面接*」の考え方と通ずるものがあると感じました。インタビューで用いられる手法が、支援の面接にも応用できるのではと思い、とても印象的でした。
*半構造化面接:あらかじめ面接の目的や質問を決めておきつつ、状況や相手の反応によって面接者が自由に質問を変えていく手法
荻野:四谷さんも来迎さんとは違う点で通常業務に活かされていたんですね。涌井さんはいかがですか?
涌井:僕は特定の講座というより、講座内で記事を執筆した際に、講師の野村さんをはじめ受講生のメンバーが遠慮なく文章を修正提案するスタンスがとても良いと感じました。最初は他人の書いた文章を訂正することに申し訳なさを感じていましたが、野村さんに「記事は読者のために書くのであって、執筆者のために書くのではないのでどんどん指摘し合って良い記事を作りましょう」と言ってもらえたため、気遣いすぎず修正提案ができるようになりました。
来迎:私も最初は訂正することやされることに抵抗があったのですが、今では「訂正してくれてありがとう!」としか感じません(笑)
荻野:皆さん、講座を通して様々な学びがあったんですね!
講座を通して大変だったことは?
荻野:社内ライター養成講座を受講される中で大変だったことはありますか?
来迎:私は、記事の企画を考えるのが一番大変でしたね。講座内では「社内の課題を認識して、それを解決できるような企画を作れるように」と教わっていましたが、それが中々難しくて……。しかし企画作成を繰り返していくうちに、今では会社にどのような課題があるか、自然と考えられるようになりました。
荻野:会社にとってどんな記事が必要なのか考えることはとても大事ですよね。四谷さんはいかがですか?
四谷:私はインタビュー相手との事前調整が一番大変でした。「リヴァトレ」の利用者に取材することが多かったのですが、取材の交渉から日程調整、記事執筆後の確認依頼など、やることが想像以上に多かったですね。
荻野:今や「インタビュー記事といえば四谷さん」のイメージが強いですが、そんな苦労をされてたんですね。涌井さんはどんなところが大変でしたか?
涌井:「目的に沿った記事を書く」ことが思っていたよりも難しいことだと、この講座で痛感しました。例えば「Aさんの生き方を紹介する」という目的を持って記事の執筆を始めても、Aさんが取り組んできたことの一部に引っ張られて、そこばかりに着目した文章になってしまうことがありました。書いた時には気づかなかったのですが、後日野村さんに指摘されてはじめて、自分が目的を見失っていたことに気づきました...。
荻野:目的に沿って記事を書くことって想像以上に難しいですよね。僕は筆が乗ると自分の書きたいように文章を書いてしまうことが多く、書き終わった後に「この文章で本当に伝えたかったことってなんだっけ」と我に返ることがよくありました。講座内で「この記事の目的は何か?」と何度も確認してもらったおかげで「何のために記事を書いているか」ということが少しずつ意識できるようになったと感じています。
今後挑戦したいこと
荻野:最後に、社内ライター養成講座を受けた皆さんがこれから挑戦したいことを聞かせてください!私は、プライベートでもっと沢山の文章を書いていきたいと思っています。今まで、なんとなく自分が考えていることをブログに書く事はあったのですが、中々長続きしなくて...。次は、目的をしっかりと決めて文章を書いていきたいです。
四谷:私は臨床心理学を専門にしているので、将来的には自分で学術書を執筆してみたいです。本は形に残る成果としてずっと残り続けるので、ライター研修で学んだことを活かせたらなと思っています。
荻野:形として残り続けるのも文章を書くことの魅力ですよね!来迎さんはいかがでしょうか?
来迎:私は、もっと「リヴァトレ」を多くの人に知ってもらえるような記事を書いていきたいです。例えば、過去にリヴァトレを利用していた人にインタビューをして、当時どのような想いで利用していたのかを記事にすれば、同じような想いをしている人にリヴァトレの存在を知ってもらうきっかけになるのではないかと考えています。
涌井:僕は、立ち上げに関わっている新サービスを多くの人に知ってもらえるような記事を書きたいと思っています。その時はしっかり目的に沿った記事を書いてみせます!
荻野:講座で得た学びを活かしてこれからも頑張っていきましょう!本日はありがとうございました!
講師からのメッセージ
講師:野村京平氏(コピーライター/株式会社あどアシスト)
私はこれまでもリヴァのスタッフさんが書かれた記事を手直ししたり、意見を伝えたりさせていただくことがありました。しかし、なかなかゴールイメージが共有できなかったり、スタッフさんのモチベーションを下げてしまったりと、正直あまりうまくいきませんでした。
スタッフさんからすると、自動車学校にも通っていないのにいきなり公道でクルマを運転させられて、助手席に乗った教官に補助ブレーキを踏まれまくるような感覚だったのでは…と想像しています。そのやり方では何が問題なのか分からないし、記事を書くことが(私のことも…)嫌いになってしまいますよね。申し訳ない…
今回の講座では、まず講義形式で企画や制作について体系的に学んでいただき、その後に演習形式で実際に公開する記事を制作していただきました。このようにステップ・バイ・ステップで進められたことで、受講生の皆さんは安心感や納得感を持って学ばれていたように思いますし、自分としても「こうすればよかったのか」と学ぶことの多い講座になりました。
受講してくれた4人のスタッフさんは、所属部署や担当業務、会社・サービスに対して感じている課題などもそれぞれに異なっていましたが、企画や取材、制作のスタイルにもそれぞれの個性がたっぷりと反映されて、結果として“四人四色”の魅力的な記事が完成しました。
これからも各人が持つ「自分らしさ」を大切にして、読んでくれる人の役に立つ、素敵なコンテンツを生み出していってください。さらなるご活躍を期待しています!