【スタッフインタビュー】未知の世界に出会える、支援の仕事がとても楽しい。

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2018年にリヴァへ入社し、現在はリヴァトレ高田馬場で支援員を務める戸澤裕輝(とざわひろあき)。学生時代はやりたいことが見つからなかった彼が支援に携わったのは、ある出会いがきっかけなのだとか。「支援の仕事がとても楽しい」と話す彼が大切にしていることや、今後チャレンジしてみたいことについて聞きました。

 

プロフィール

戸澤裕輝(とざわひろあき)

*出身地:大阪府
*経歴:大学では文学部で哲学を専攻。卒業後は支援者への道を志し、精神保健福祉士、公認心理師の資格を取得。これまで、生活困窮者・精神疾患の方など様々な社会的困難を抱えた当事者の支援に携わってきた。
*入社年月:2018年
*異動歴: 御茶ノ水2年→高田馬場1年弱
*趣味:読書。最近読んだ本は『なぜ世界は存在しないのか』(マルクス・ガブリエル)。


失くした「何か」を見つけるために
飛び込んだ支援の仕事

大学卒業後はしばらく就職をせず、アルバイトをしながら生活していました。特にやりたいこともなかったし、当時は就職氷河期だったこともあって、就職活動への意欲が湧かなかったんです。自分のモチベーションの根源が見つからず、途方に暮れていましたね。

そんな私が支援に携わるきっかけになったのは、20代半ばの頃に友人から紹介された、精神科デイケアでのボランティアでした。統合失調症の方にパソコンの操作を教える先生として支援施設に通っていたのですが、特に教えることはなく、基本的には隣で見ているだけ。そこで出会ったある患者さんの姿が、とても印象的だったんです。

その方は症状が重く、1行の文字を打つのに半日もかかってしまうんですが、それでも毎日、懸命にキーボードと向き合っている。私は「この方がタイピングを続けるモチベーションは何なのだろう」と思いながら見守っているうちに、「生きるとはどういうことか」を真剣に考えるようになりました。

そんな経験から「このような方々と関わることで、自分が失くしてしまった大切な何かを思い出させてもらえるのではないか」と思い、支援の道に進むことを決めました。

ここでなら互いを尊重し
対等な関係性の中で支援ができる

その後、専門学校に通って精神保健福祉士(PSW)の資格を取得し、宿泊型の支援施設などで働きながらカウンセリングや心理療法を学びました。そして「より人の心に寄り添うことができるような支援の仕事に携わりたい」と思うようになり、転職先を探している時に出会ったのがリヴァでした。

選考を受ける中で、印象的だったのは福井さん(現リヴァトレ市ヶ谷のセンター長)との1次面接です。私より先に丁寧に自己紹介をしてくれたので、面接官と候補者が対等に扱われていると感じました。そんなリヴァであれば、利用者さんとの関係も「支援する人とされる人」という形ではなく、お互いを尊重しながら支援ができるのではないかと思えたんです。

また、当時入社3年目ながらセンター長を務める福井さんが、「リヴァでは自分がやりたいと手を挙げれば、裁量を持って進められる」と話している様子に説得力があって。ここでなら日々、利用者さんに対してどのように貢献ができるかを試行錯誤できそうだ、と思えたので、入社を決めました。

 

経験や感じ方は人それぞれ
大切なのは「分かったつもりにならないこと」

リヴァに入社して驚いたことは、何かを決断する際に「ビジョンに沿っているかどうか」を大事にしていることでした。また、拠点スタッフの裁量に委ねられている業務の範囲が広いです。自分たちで決めたからこそ責任を感じますし、実行する中で常に最適な状態かを確認し、問題があれば決してそのままにせず、調整ができている。入社前に望んでいた通り、主体性を持って仕事ができているなと思います。

現在は、リヴァトレ高田馬場でのプログラムの進行や利用者の方との個別面談を担当しています。支援をするうえで、大切にしているのは「分かったつもりにならないこと」です。

例えば、休職をされている利用者さんがどんな思いで働いてきて、どうして休職に至るのかは様々で、分からないのが当たり前です。支援自体の経験があるからと言って「きっと~だろう」などと思い込まずに、分からないことを前提として関わった方が、相手の理解やより良い支援に繋がっていると感じています。

 

支援の仕事を通じて見つけた
ワクワクできる自分らしい生き方

学生時代から自分の「モチベーションの根源」を探し続けてきた私ですが、支援の仕事に携わる中で、未知の世界に出会ったときにワクワクすることに気が付きました。

先ほどお話しした統合失調症の方のタイピングでいえば、「文字を打つスピードに価値があるのではなく、懸命に作業と向き合うその時間の中に、他人には測れない、その人なりの価値があるのではないかな」と。つまり、生きることは「自分なりの価値を見つけて体現すること」なのだと考えるようになったんです。このように、未知の世界や新たな価値観に気づくことができる支援の仕事は、とても楽しいですね。

今後は、リヴァトレで提供しているプログラム毎の相互作用を強化する仕組みを作りたいと思っています。各プログラムの位置づけや、利用者さんへの影響を細かく観察し、必要に応じて個別面談を提案したり、スタッフ同士の連携を促進したりする必要があると考えているので、他のスタッフと協力しながら新たな仕組みづくりにチャレンジしていきたいです。

あと、仕事を通じて「自分らしくいること」を大事にしたいとも思っています。「自分らしくいる」とは、「心の中の自分と表出している自分が一致している状態」だと考えていて。例えば、相手に何か伝えたいことがあるとして、様々な状況や関係性の中で伝えづらいと感じることはありますよね。そんな時に、「言えない」と気持ちに蓋をするのではなく、自分で納得をして「言わない」という判断ができているかといったイメージです。

まずは私自身が自分らしくいることで、スタッフや利用者さんが安心して自分の気持ちを話せるような場づくりに繋げていく。そんな「自分らしくいられる好循環」を、身近なところから生み出したいですね。その循環が利用者さんの職場などにも広がっていくことで、少しずつでも社会を生きやすい環境に変えていくことができれば嬉しいです。

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この記事を書いた人
菅野 智佐 株式会社リヴァ 2018年度入社

1996年福島県生まれ。山形大学を卒業後、18卒として(株)リヴァへ入社。ラシクラ事業部・新卒採用の責任者を兼任しながら、新規事業「あそびの大学」の立ち上げに至る。自分らしいと感じる瞬間は「物事の背景を探求している時」。趣味は、DIYと金継ぎ。

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