うつ病で休職した会社へ復職するとき、会社から『復職の条件』として提示されやすい3つのこと。

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リヴァトレ事業部の森山です。

うつ病などで休職したとき、心身の状態がある程度よくなってくると「いつ復職できるのか?」ということが気がかりになってくるものです。

逆にいえば、復職を含めた先行きについて考えられるようになってきたのは、うつ病の症状が安定し、意欲が回復してきたサインと考えられるかもしれません。

リヴァトレの利用者さんからも「この状態で復職できるのか」「会社が復職をなかなか認めてくれない」などといった相談を受けることがありますが、会社から提示されやすい3つの復職条件を把握しておくと、復職が認められやすくなるだけでなくスムーズに手続きが進むことでしょう。

この記事では、『復職までの流れ』と『復職の条件として提示されやすい3つのこと』について説明します。

 

うつ病で休職してから復職するまでの流れについて

会社によって復職までのプロセスは異なりますが、ここでは一般的なケースについて説明します。

まず、復職の時期や進め方については、主治医に相談しておくことがオススメです。主治医はうつ病の回復具合などを踏まえて、客観的に「もう少し療養した方がいい」、「そろそろ復職してもいいかもね」といった判断をしてくれます。

その主治医の意見を踏まえ、休職している本人も「復職しよう」と思えたら、休職中の会社に対して”復職の意思”を伝えます。そして復職へ向けて具体的に話を進めていくことになれば、主治医に『職場復帰可能』という判断が記された診断書を作成してもらい、会社に提出します。

主治医の判断に併せて、産業医等とも面談を行い、『業務遂行能力が職場で求められる水準まで回復しているか』といった評価を受けます。これらを経て”復職が可能”と判断されれば、産業保健スタッフや人事担当者、職場の上司などとともに、フォローアップ体制や就業制限・通勤訓練・試し勤務(リハビリ勤務)などの必要性を検討し、最終的な復職の決定がなされます。

 

【就業制限】
 残業・深夜業務の禁止、出張・危険作業等の制限など。

【通勤訓練】
 自宅から勤務職場の近くまで通勤経路で移動し、職場付近で一定時間を過ごした後に帰宅する。

【試し出勤(リハビリ出勤)】
 職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する。

※図はあくまで一例です。勤務先の会社の制度等によっては流れが異なる場合もございます。

それでは復職にあたりどのようなことが求められるのかを、過去のあるケースに沿って説明したいと思います。

 

会社から「復職の条件」として提示されやすい3つのこと

1. 復帰後の勤務に耐えうる体力があること

会社側は当然ながら、決まった勤務日、時間に通勤し、就労が継続して行えることを重視します。そのため、うつ病で休職する前に週5日のフルタイムで勤務をしていた方であれば、復職の条件としても「週5日フルタイムでの勤務ができること」を求められることが多いでしょう。 リヴァトレの利用者さんも復帰が近くなると、復職後の生活リズムに近付けるために週5日終日(9時~16時)通所を行う方が多く、閉所後に図書館やカフェで自習する方も少なくありません。

また、会社から活動記録表や、通所実績の記録資料(リワーク等を利用している場合)の提出を求められる場合があります。こうした資料は、自分自身の生活リズムを客観視することにも役立ちますので、会社から求められるか否かに関わらず、日頃から活用されるとよいでしょう。

また“健康の土台”を固めるために、健康の3要素といわれる『運動・食事・睡眠』について見直し、復職した後も健康的な生活をおくれるように習慣をつけることも大切です。例えば「夜11時までにスマホ、PCをやめて布団に入る」「菓子パンを控えてバランスの取れた朝食を食べる」「1日10回スクワットを行う」など、自分に合ったやり方を見つけて実践してみると良いでしょう。

2. 休職に至った経緯、要因の分析ができていること

うつ病による休職を繰り返さないためには、主な原因となる過度なストレスを早い段階で自覚し、対処することが重要と考えられます。実際に復職面談などでも「休職に至った要因についてどう考えていますか?」といった質問を受けることもあり、経緯や要因の分析は重要な要素の一つです。

『よく眠れない』『些細なことにイライラする』などはストレスのサインであり、これらを放っておくとうつ病の再発につながる可能性があります。ストレスサインに気付くための参考として、うつ病の診断基準(DSM-Ⅴ)についてご紹介します。

以下の症状のうち、少なくとも1つある。 1.抑うつ気分 2.興味または喜びの喪失 さらに、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。 3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加 4.不眠あるいは睡眠過多 5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞) 6.易疲労感または気力の減退 7.無価値感または過剰(不適切)な罪責感 8.思考力や集中力の減退または決断困難 9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図

上記症状がほとんど1日中、ほとんど毎日あり2週間にわたっている症状のために著しい苦痛または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能障害を引き起こしている。これらの症状は一般身体疾患や物質依存(薬物またはアルコールなど)では説明できない。

などの、上記の基準が”うつ病の診断基準(DSM-Ⅴ)”といいます。

さらにその他にも『吐き気・胃の不快感・腹痛・下痢・便秘などの身体的訴え』『怒りやすくなる』といった現象も、うつ病の症状として生じることがあります。

また、ストレスとなる出来事、症状やサインの出方は人それぞれ異なります。例えば、上司からミスを指摘された場面を取っても、「自分は仕事ができないダメ人間だ」と自責的な思考が出て、胃がキリキリしてくるという人もいれば、「この上司は自分のことを何も分かっていない!ちくしょう!」と怒りの気持ちが出て、攻撃的な言動をする人もいます。さらには睡眠リズムや食欲などにうつ病の症状が出ることもあるようです。

ですから、うつ病で休職に至った要因は人間関係なのか、業務内容なのかをいま一度明確にしておくことが重要です。加えて休職前の働き方などを振り返ってみて、自分がストレスを感じやすい状況などについても復職前にきちんと把握しておきましょう。

苦手なこと、課題になることはもちろん、自分の強み(集中力、対人コミュニケーション、報・連・相、タスク管理など)を自覚することも含めて自己理解を深めていくと、対処法のヒントが見えてきます。

3. 仕事におけるストレス対処法が身に付いていること

復職の可否を判断するにあたり、「仕事におけるストレスに対処できるようになったかどうか」を問われることがあります。

2. のストレス要因や自分自身への理解を踏まえ、ストレスに対する対処法を検討して実践し、自分に合ったストレス対処を身に付けていきます。

復職面談において「自分はこういう対処法をこれだけ持っています」と説明することができれば、会社側も本人も相互に安心感を持って復職の手続きを進めることができるでしょう。

さいごに

うつ病で休職したばかりだったり、まだうつ症状が強く現れていたりする場合には、当然ながら復職を焦ることなく、まずは療養に専念することが大切です。

「早く復職しなければ周りに迷惑がかかる」「自分の仕事が奪われてしまうのではないか」などと不安に思う方もいらっしゃいます。しかし、うつ症状が強く出ているときは、自信を失いやすく、周囲のことが気になり、将来について悲観的に考えるようになるものです。

そのような考えが生じている場合は、症状と自分を切り分けて考え、「ネガティブな考えが出ているのはうつ症状が出ているかもしれない」と捉えてみてください。そして、医師による適切な治療を受け、しっかり休養を取った上で、復職を目指しましょう。

「体調も安定してきたし、復帰に向けて進んでいこう!」と思えるようになってきたら、まずは主治医などの信頼できる人に相談してみてくださいリワーク施設利用して様々なサポートを受けながら、復職に向けて準備を進めていくこともおすすめです。

(森山)

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