うつ病などの精神疾患で休職や退職をすることになったものの、周囲に頼れる人がいない方や、家族が休職や退職をしてどうしたら良いのか分からず困っている方も少なくないでしょう。
この記事では、そういった方に向けて行政や民間で行っている相談窓口についてご紹介します。誰がどんなタイミングで相談できるのかについても記載していますので、参考にしてみてください。
目次
相談先1:みんなのメンタルヘルス総合サイト
みんなのメンタルヘルス総合サイトは、こころの不調・病気に関する説明や、行政が行っている各種支援サービスの紹介など、治療や生活に役立つ情報を分かりやすくまとめた厚生労働省の総合サイトです。
サイトでは、こころの健康づくりに関する情報、医学的情報、福祉や労働など様々な社会的支援に関する情報を紹介しています。
こんな人におすすめ
メンタルヘルスに関する総合的な情報提供サイトであり、コンテンツが豊富にあるため、ある程度自分がどんな情報を必要としているか(あるいは周囲の人に何を知ってほしいか)がはっきりしている人におすすめです。
特に見ておきたいページ
自身の病気について理解を深めたいときや、家族など周囲の人に病気の説明をしたい場合は「こころの病気を知る」の各病気の説明記事を読むことをおすすめします。
(参考:みんなのメンタルヘルス総合サイト こころの病気を知る)
またサイトからダウンロードできる『こころの健康サポートガイド』というパンフレットには、こころの健康や病気に関する相談先、様々な支援やサポート情報が記載されています。働くための支援、住まいや介護などの生活支援、医療費の助成などの経済的な支援が紹介されているため、経済的なことに不安がある方はご活用頂くと良いかもしれません。
休職や退職が決まった直後は特に経済的な心配が出てくると思います。どんな支援を得られるか、ぜひ一度しっかり目を通しておくことをおすすめします。
(参考:こころの健康サポートガイド)
相談先2:こころの耳
こころの耳は、厚生労働省が管轄しているメンタルヘルスのポータルサイトです。
働く人やその家族、事業者などに向けて、主に職場のメンタルヘルス対策や過重労働対策について情報提供をしています。
「働く方へ」「ご家族の方へ」など対象がはっきりしているので、自分が該当する箇所のページが見つけやすいのが特徴です。
(参考:こころの耳)
こんな相談ができます
こころの耳では、就労中、休職中、退職済、などのそれぞれの状況を問わずに電話やメールでこころの悩みや過重労働による健康障害などについて相談することができます。
また「仕事に関する相談」「生活に関する相談」など、相談の内容に合わせて様々な自治体やNPOの相談窓口を紹介しているため、どこに相談したら良いのか分かりやすくなっています。
ただ、相談窓口によって受付時間が異なっていたり、電話が繋がりにくい場合や(メールやSNSでの相談の場合)返信までに時間を要することもあるので注意が必要です。相談をするのに通院中や休職中であるなどの条件はないので、少しでも心身の不調が気になったときに相談することを検討してみましょう。
(参考:相談窓口案内)
相談先3:精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは精神保健福祉法にもとづき各都道府県・政令指定都市に設置されている支援機関であり、こころの病気について幅広く相談することができます。
こころの病気や困りごとについて相談できる機関としては、他にも保健所や市町村保健センターがあります。この中でも精神保健福祉センターは、専門性のあるスタッフ(医師や精神保健福祉士、臨床心理士など)が揃っているのが特徴です。
(参考:全国精神保健福祉センター長会 全国精神保健福祉センター一覧)
こんな相談ができます
相談できる内容に決まりはなく、以下のような幅広い相談ができます。
- うつ病や双極性障害など、こころの病気や問題についての相談
- アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症についての相談
- 思春期、青年期の様々な問題についての相談
- 認知症など高齢者の精神症状に関する相談
- 治療についての相談
- 社会復帰についての相談
電話や対面での相談も可能で、本人だけでなく、家族や周囲の人などからの相談に対応している場合もあります。診断を受けていなければ相談できないというわけではなく、診断以前の状態でも心のつらさを相談し、対応してもらえます。
ポイントとしては、専門性のあるスタッフがいるため症状に関して専門的な質問や相談がしやすい点です。幅広い相談を受け付けているため「どこに相談したらいいのか分からない」「こんな相談でも大丈夫だろうか」と不安を抱えている方でも安心して相談することができます。
また、各センターによって規模や内容は異なりますが、医療機関や支援機関についての情報提供、精神科デイケアなどのプログラムも行っています。
(参考:東京都立精神保健福祉センター)
相談先4:医療ソーシャルワーカー(MSW)
病院をはじめとする保険医療機関で働くソーシャルワーカーは「医療ソーシャルワーカー(略称:MSW)」と呼ばれます。医療ソーシャルワーカーは患者やその家族に対して、彼らが抱える様々な心理的・社会的な問題の解決や社会復帰を支援します。
具体的な業務としては、
- 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
- 退院援助
- 社会復帰援助
- 受診・受療援助
- 経済的問題の解決、調整援助
- 地域活動
を行っています。
(参考:公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会 医療ソーシャルワーカーとは)
医療ソーシャルワーカーの中でも、精神医療に関連する社会資源に精通しているソーシャルワーカーのことを「精神科ソーシャルワーカー(略称:PSW)」と呼びます。直接、精神科ソーシャルワーカーに相談しても良いですし、もう少し幅広く相談をしたい場合は医療ソーシャルワーカーに相談するところから始めてみると良いかもしれません。
こんな相談ができます
治療中の心理的・経済的な悩みの他「誰に相談したらいいのか分からない」という場合でも、医療ソーシャルワーカーはまず事情を聞き、そこから必要な制度やサービスを提案したり、必要な支援機関と繋げたりしてくれます。
その他、必要に応じて病院のスタッフと連絡・調整を行ったり、病院の中で相談にのりきれない事柄に関しては、適切な施設と連携を取ることで長期的に支援を行います。
注意点としては、医療ソーシャルワーカーに相談できるのは基本的に通院中、あるいは入院中の方とその家族になるため、相談できるタイミングが限られていることが挙げられます。
また、医療ソーシャルワーカーは主に大きな病院に在籍していることが多いですが、下記のページから在籍している病院や施設が探せるので参考にしてみてください。
(参考:医療ソーシャルワーカー会員マップ)
リヴァで行っているサービスについて
休職後や退職後、まず必要なのはゆっくり休むことですが、徐々に回復してくると今後の生活やキャリアについての不安が出てくるかと思います。
リヴァでは「リヴァトレ」という職場復帰支援(リワーク)を行っており、職場へ通勤するようにセンターへ通いながら、よりよい復職・再就職を目指すトレーニングをすることができます。
主治医から復職の許可が下りても、すぐに職場に復帰したり、あるいは就職活動をするのは不安であったり難しく感じられる方もいるでしょう。体調が回復し今後の生活やキャリアについて考える余裕が生まれた段階で、一度相談してみるのはいかがでしょうか。
また、センターへは週2日から通所可能なので、完全に回復していない方でも少しずつトレーニングをすることができます。
特に以下の方にお勧めです。
- 働くための生活リズムを整えたい方
- 服薬と休養以外のストレス対処法を身に付けたい方
- 職場で働く力の回復・向上を目指したい方
- 働き方・生き方の再構築をしたい方
センターの無料見学・体験も可能です。また『よくある質問』についてもまとめておりますので、ご参考ください。
(参考:リヴァトレ よくあるご質問)
まとめ
休職直後や退職直後は様々な不安がありますが、まずは主治医の指示に従い正しい服薬をしたり、十分な休養を取り回復に努めることが大切です。その環境を整えるためにも、多くの人や制度の支援を得る必要が出る場面があるかと思います。そのときに今回紹介したサイトや相談窓口が力になってくれるはずですので、ぜひチェックしてみてください。
また、些細な問題であっても自分ひとりで抱え込んでいるうちに、心身に不調をきたすようになることもあります。
本格的にしんどくなってから相談先を探すのは難しいので、風邪の引き始めのように「あれ?ちょっとおかしいかも」と思ったら、早めに誰かに相談したり、もしもの場合に相談できる場所を探してみてくださいね。
まずは無料パンフレットをご覧ください
リヴァトレは、うつなどのメンタル不調でお悩みの方の復職・再就職をサポートするリワークサービスです。
復帰に向けて行う取り組みについて、無料パンフレットでわかりやすくご紹介しています。
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病院・診療所などの精神科領域にて勤務。精神障害者、LGBT、がん患者などへの心理的援助を実践してきた。2020年に株式会社リヴァに入社。就労移行支援施設「リヴァトレ市ヶ谷」にて、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。