うつ病の人が転職するときのポイントは?仕事の探し方や就職前にすべきおすすめの準備を紹介

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うつ病になり転職を検討しているものの、「自分に合う仕事が分からない」「上手く就職活動ができないかもしれない」と不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、うつ病の方が転職するにあたって押さえておきたいポイントや、仕事の探し方、就職前にしておくべき準備について解説します。

うつ病を悪化させず、かつ自分らしい仕事を見つけるための参考にしていただけますと幸いです。

「うつ病におすすめの仕事」はある?

「うつ病の人におすすめの仕事」があるなら知りたいですよね。

しかし、「うつ病だから、この仕事が向いている」とはっきり言うことは難しいです。なぜならば、うつ病の症状や得意・不得意、将来どのようなキャリアを歩みたいかは人それぞれ異なるためです。ご自身が「どのような仕事であれば負担が少ないか」「将来、どのような仕事を続けていきたいか」を考えたうえで、仕事を選ぶことができると良いでしょう。

自分らしい仕事選びをするためには、これまでの人生やキャリアを振り返ることが重要です。

例えば、これまでやってきたこと、興味・関心のあること、得意なことや苦手なこと、成功体験・失敗体験などについて考え、自分自身を見つめ直し、分析することをおすすめします。

また、新しい業務に対応できるまでに、気分や体調が整っているかを確認することも大切です。

「うつ病だからこの仕事」と症状に合わせるのではなく、ご自身が「どうすれば負担なく仕事ができるか」「どのように生きていきたいか」という視点を持って、ご自身にとって関心のある仕事の求人の一覧なども参考にしながら仕事探しをおこないましょう。

うつ病の方が転職するときに押さえておくべきこと

うつ病の方が仕事を探すにあたっては、次のような点を押さえておくと良いでしょう。

1.焦って就職活動をおこなわない

うつ病が回復してくると、「早く就職をしなければならない」と焦りはじめる方も少なくはありません。

しかし、回復途中の段階で焦って就職活動をおこなうと、活動に伴う疲労やストレスからうつ病が再発してしまうリスクが高まります。そもそも、うつ病の再発率は60%と高く、2度発症すると、その後の再発率は70%、3度発症後の再発率は90%と、症状を繰り返すたびに上昇すると言われています。

つまり、2度目の再発を繰り返さないことが大変重要なのです。

そのため、焦って就職活動をおこなうことはおすすめできません。

まずは、今のご自身が就職活動を始められるような状態かどうか、主治医と確認するようにしましょう。体調を整え、適切な転職の時期を見極めることで、無理なく再出発できる可能性が高まります。

2.過去を振り返り、未来を考える

就職活動をおこなう前に、ご自身がこれまでどのように生きてきたか、振り返って書き出してみることも良いでしょう。

例えば、これまで経験してきた職種や仕事内容、身についたスキルや、得意なことや不得意なこと、成功体験や失敗体験について振り返って分析します。

そして過去を振り返ったうえで、ご自身の未来についても考えて書き出してみましょう。

具体的には、今後やりたいと考えていることや興味・関心があることなどです。

書き出す内容は、これまでのキャリアと関係があってもなくても問題ありません。

「今まではこうだったから」とご自身を縛り付けること無く、これからどのようなキャリアを歩み、生きていきたいかについて、ご自身の欲求に従って自由に考えることで、発想が膨らむでしょう。

うつ病であることをオープンにして転職するべき?

うつ病になってしまった場合、就職活動の際には隠すことなく正直に伝えなければならないのでは、と考えられる方もいるでしょう。しかし、一般雇用枠での就職を検討している場合は、必ずしもオープンにする必要はありません。

 

一般雇用では、ご自身がうつ病であることは、自分で伝えなければ会社側が知ることはありません。このような働き方を「クローズ就労」と呼ぶこともあります。

一般雇用でクローズ就労するメリットには、「職種や業務内容の選択肢が増えること」、「うつ病の既往歴がない方と同等の待遇での入社が期待できること」などが挙げられます。また、うつ病の症状を繰り返さない状態で安定して働くことができれば、昇進や昇給のチャンスが十分あることもメリットです。

一方で、デメリットとしては、「うつ病に対する理解や配慮を周囲に求めにくいこと」が挙げられます。うつ病の既往歴がない方と同等の条件で働くことになるため、症状が悪化した場合でも、会社や状況によっては時間外労働をせざるを得ないこともあるでしょう。

 

その他には、障害者雇用の枠で働くという選択肢もあります。

一般雇用とは異なり、うつ病の症状を会社にオープンにしたうえで働くことになるため、「オープン就労」とも呼ばれます。

障害者雇用によるオープン就労のメリットは、「上司や同僚にうつ病の症状について理解してもらいやすく、「体調や職場環境、業務内容に配慮してもらいながら働くことができる」点です。

一方で、デメリットとしては、「一般雇用と比較すると職種や業務内容が限定され、給与が低い傾向にあること」が挙げられます。

 

うつ病であることをオープンにしなくても働くことは可能です。ただし、主治医と相談しながら、ご自身の特性やうつ病の症状に合わせて、どちらの雇用形態で働くかを検討してみることをおすすめします。

うつ病の方が仕事を探すときの5つのポイント

うつ病の方が仕事を探すうえで、次の5つのポイントを押さえておくと良いでしょう。

1.就職活動をおこなう期間を長めに設定する

就職活動を始めても、必ずしもすぐに内定をもらい、仕事が確定するとは限りません。

さらに、就職活動は身体的にも精神的にもエネルギーを使います。そのため、ご自身の体調を気遣い、十分な休息時間を確保しながら進めていく必要があります。

そのため、就職活動をおこなう期間は長めに設定しておくことをおすすめします。焦らず、制度や相談機関を活用しながら、適切なペースで就職活動を進めることが大切です。

2.勤務時間が決まっている仕事を選択する

就職後にうつ病が悪化することを防ぐためには、安定した生活リズムを維持することが重要です。そのため、シフト制のように勤務時間が不定期な働き方ではなく、勤務時間の枠組みがある程度決まっており、起床時間や就寝時間が大きく変化することがない仕事を選ぶことをおすすめします。

3.通院を続けながらできる仕事を選ぶ

就職後のうつ病の再発を防ぐためには、通院を継続することが必要です。そのため、通院先の場所や診療日時を踏まえた仕事選びをおこなうことをおすすめします。

具体的には、退勤後に通院できる距離に会社があるか、勤務時間や休日が診療時間に合っているかなどを確認しましょう。

就職後、仕事の都合で転院や主治医の変更で治療が中断してしまうと、うつ病が悪化したり、再発を繰り返す可能性が考えられます。治療を継続することは仕事を継続するためにも重要です。就職活動時に事前に会社の情報をしっかり確認しておきましょう。

4.ハローワークを利用する

ハローワークでは、うつ病や精神疾患を持った方の就職支援もおこなっています。

具体的には、「一般」だけでなく「専門援助部門」があり、一般雇用だけでなく障害者雇用を考えている場合や、どのような雇用形態で就労すべきか迷っている場合にも相談できます。

就職活動では転職サイトを活用する選択肢もありますが、ハローワークには求人情報が豊富にあり、無料で利用できるためおすすめです。

5.リワークを活用する

転職サイトやハローワークを利用して就職活動を進めることに不安がある場合は、リヴァトレなどのリワーク施設を活用することを検討してみても良いでしょう。

リワークとは「return to work」の略で、ある程度うつ病が回復した方が、復職や再就職を目指してリワーク施設で必要な知識やスキルの習得に向けたトレーニングをおこなうものです。また、リワーク施設では就職活動の支援だけでなく、就職後の職場定着支援も行っています。

そのため、就職後に問題が生じた場合でも、リワーク施設の支援員との定期的な面談などを通じて支援を受けられ、安心して働き続けられるでしょう。

不採用が続いてメンタルが落ち込んだときは

就職活動中に不採用が続いてメンタルが落ち込んでしまった場合、その状況とどのように向き合い再起していくかを考えることが重要です。なぜなら、会社に入社した後も、メンタル不調に向き合った経験が役立つ可能性があるからです。

働き始めた後も、精神的に負荷がかかるタイミングは何度も訪れるかもしれません。

つまり、就職活動中にメンタルが落ち込んだ際、現状と向き合って再起する方法を考えることは、将来同じように不調をきたした際により早く復調し、働き続けるためのトレーニングにもなります。

ただし、一人で考え続けることで、かえってうつ病が悪化してしまう可能性もあります。そのため、主治医やカウンセラーに話を聞いてもらったり、リワークを活用して同じように就職活動をしている仲間と協力することもおすすめの選択肢です。

うつ病で仕事探しに悩んでいる方へ

仕事探しは、今後の生活を支えるお金の問題に直結します。そのため、「早く就職先を決めないといけない」と焦ってしまい、現在の体調を考慮せずに行動してしまうケースも少なくありません。

仕事探しをする際には、現在の体調で就職活動に取り組んで問題ないかを主治医と相談しながら考えるようにしましょう。

うつ病が完全に回復していなくても、仕事に就ける場合があります。ただし、体調が万全でない状態で就職すると、症状が悪化し、再び仕事ができない状態に陥る可能性も考えられます。

まずはうつ病の回復に向けて休養することを第一に考え、主治医など専門家の力も借りながら、少しずつ就職活動を始めていくことをおすすめします。

実際にメンタル不調で離職後、転職した方の体験談

ここでは、メンタル不調で離職した後、弊社が運営するリワーク施設「リヴァトレ」を利用して、転職したAさんの体験談を紹介します。

【Aさんの体験談】

リヴァトレの利用期間は1年3か月でした。再就職への焦りや不安を抱えながらも、同じ悩みを持つ仲間との繋がりに支えられたことで心身の安定を実感できたそうです。

一人で何かをするより、他の利用者とプログラムを通じて接し、学んだり、成長したりできるリヴァの支援スタイルは、すごく合っていたとのことでした。

 

再就職後は、仕事と並行して、完治が困難なアレルギー疾患の患者を支えるNPO活動に参加できるほどまでに回復。もともとご自身も同じアレルギー疾患を抱えており、悪化するたびに気持ちが落ち込み、なかなか前向きに生きることができなかったことが多かったそうです。

しかし、リヴァトレでの経験を通して、アレルギー患者同士で気持ちを支え合うこと、症状がつらいと感じたとき、状況を受け入れ、無理に前向きになろうとしないことの大切さを痛感し、

メンタル不調に陥っても、「その期間で経験したことが全て悪い思い出になるわけではない、自分らしく生きるための転機」と感じたと語られています。

 

体験談の詳細は以下の記事からご覧になれます。

転職前に再就職支援サービス「リヴァトレ」で復帰の準備をしよう

仕事から離れてビジネススキルが十分回復していなかったり、自分にとってどのような働き方が良いのか分からない状態で再就職をすると、職場でのストレス対処が上手くいかず、うつ病が再発するリスクが高まる可能性があります。

うつ病の再発率は約60%と高いため、再発を繰り返さずに働く方法を知ることが重要です。

 

リヴァトレでは、支援員の力を借りながら自分の過去を振り返り、「自分らしい働き方」について見つめ直すことができます。

リヴァトレで提供している「キャリアデザインワーク」のトレーニングプログラムはその一例です。過去の経験から自分のやる気の源泉を探る「モチベーションカーブ」や、未来に向けて大切にしたい言葉を選び掘り下げる「バリューワード」など、多様なプログラムが用意されています。

 

また、リヴァトレでは、同じようにうつ病を抱えながら就職活動に取り組む仲間と出会えます。再就職に向けて相談したり励まし合ったりすることで、一人で悩まずに協力し合える環境が整い、安心感を得られるのではないでしょうか。

 

ビジネススキルを身につけるための、職場復帰後を想定した実践的なトレーニングプログラムも用意されています。

例えば「ビジネスコンペ」というプログラムがあります。リヴァトレの利用者同士でチームを組み、約1ヶ月間にわたって課題に取り組み、最終的に発表を行います。

ただし、解答内容や発表方法のクオリティの高さを競うことが目的ではありません。ビジネスコンペに参加することで、通常のプログラムと両立しながらタスクをこなす経験や、発表時に厳しい指摘を受ける場面など、実際の職場に近いシチュエーションを体験し、それに伴うストレスへの対処法を見つけることが狙いです。

都内4か所、仙台、大阪に拠点を構え、これまでに1,700名以上の方々を社会復帰に伴走してきた私たちが、一人ひとりのペースに合わせたサポートを提供しますので、まずはお気軽にご相談ください。

おわりに

本記事では、うつ病の方が転職するにあたって押さえておきたいポイントや、仕事の探し方、就職前にしておくべき準備について解説しました。

うつ病を悪化させず、かつ自分らしく働ける仕事を見つけるためには、焦って就職活動をしないことや、ご自身の過去の経験を振り返り、今後はどのように生きていきたいのかを考えることが大切です。

また、一人で抱え込むのではなく、主治医を頼ったり、リワークなどを活用し、同じ境遇の仲間と協力しあって就職活動を進めることもおすすめします。

弊社が提供するリワーク施設「リヴァトレ」でも、利用者同士で協力をしながら就職活動を進められますし、自分らしい仕事探しができるよう、さまざまなプログラムを用意しています。

ぜひ、利用を検討してみてください。

まずは無料パンフレットをご覧ください

リヴァトレは、うつなどのメンタル不調でお悩みの方の復職・再就職をサポートするリワークサービスです。

復帰に向けて行う取り組みについて、無料パンフレットでわかりやすくご紹介しています。

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この記事を書いた人
涌井 陽 株式会社リヴァ

株式会社リヴァ 2022年度入社
1998年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、新卒でリヴァへ入社。LIVA MAGAのライターを担いながら、採用や経理業務に従事。好きなことは旅行やコーヒー、カメラ。

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