休職中に転職活動してもいい?リスクや注意点、不利にならないためのポイントを解説

43 views

休職中の方の中には「今の会社に戻るべきなのか、それとも新しい道を探すべきなのか?」と迷っている方もいらっしゃると思います。

休職期間中は、自分の働き方を見つめ直す貴重な機会です。しかし、「休職中の転職活動は不利になるのでは?」「そもそも転職活動をしてもいいの?」と不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、休職中の転職活動の可否やリスク、不利にならないためのポイントについて詳しく解説します。転職活動を進めるかどうかの判断材料として、ぜひ参考にしてください。

休職中に転職活動をしてもいいの?

休職中に復職か転職か迷うことは、決して珍しいことではありません。これまでの働き方に無理があったと感じているなら、転職を考えるのは自然な流れとも言えます。

では、休職中に転職活動をしても問題ないのでしょうか?

結論から言うと、休職中に転職活動をすること自体は法律違反ではありません。労働基準法や職業安定法などの法律では、休職期間中の転職活動を制限するルールは特に定められていません。

ただし、企業によっては休職中の副業や他社での就労を禁止する規定を設けている場合があります。その延長で、転職活動自体も制限される可能性もありますので、現在の会社の就業規則には注意が必要です。

とはいえ、「転職活動=実際に働く」わけではないため、厳密に規則違反となるケースは多くありません。ただ、今後のトラブルを避けるためにも、会社の就業規則を確認しておくと良いでしょう。また、休職中は、心身の回復を最優先にすることが大切です。まだ体調が安定していない段階での転職活動は、無理をしてしまい、かえって症状を悪化させるリスクもあります。

「転職したい」と思ったら、まずは自分の体調と向き合う時間を確保すること。焦らず、自分にとってベストなタイミングで動くことが重要です。

職場や応募先企業にバレる?休職中の転職活動のリスクとは

「休職中に転職活動をしていることが、会社や応募先にバレたらどうしよう…」

そんな不安を抱える方も多いかもしれません。結論から言うと、適切に進めればバレる可能性は低いですが、注意すべきポイントはいくつかあります。

転職サイトやエージェントの利用に注意

近年、転職活動はオンラインで完結することが増えました。そのため、会社の人と直接会うことなく転職活動を進めることが可能です。ただし、以下の点には注意が必要です。

転職サイトの公開設定

転職サイトでは、プロフィールを「企業に公開」する設定になっている場合があります。もし現在の会社がその転職サイトを利用していた場合、情報が見られてしまう可能性があるため、「企業ブロック機能」を活用し、現在の職場をブロックすることをおすすめします。

エージェントとのやり取り

転職エージェントを利用する場合、企業とのやり取りの際に「現在の職場には知られたくない」と事前に伝えておきましょう。エージェント側も配慮してくれることが多いです。

面接のスケジュール調整

休職中の転職活動では、面接のスケジュール調整がしやすいメリットがありますが、会社の同僚や上司と偶然会うリスクもゼロではありません。カフェやコワーキングスペースでのオンライン面接など、場所選びには慎重になりましょう。

また、転職活動が現職の会社に知られた場合、復職がしづらくなる可能性があるため、その点も考慮しながら慎重に進めることが大切です。

体調悪化のリスクにも注意

休職中に転職活動を行う他のリスクとして、体調悪化も挙げられます。

休職の目的は、まず「心身の回復」です。体調が十分に整わないうちに転職活動を始めると、ストレスが増え、回復が遅れることもあります。

転職活動は履歴書の準備、面接対応、企業リサーチなど、意外とエネルギーを消費します。負担を軽減するために、

  • まずは情報収集から始める
  • 1日1時間程度の活動にとどめる
  • 体調に合わせて休みながら進める

 

といった工夫をすると無理なく進められます。

休職中であることは応募先企業に伝えたほうがいい?

転職活動を進める上で、休職中であることを応募先企業に伝えるべきかどうか、悩む方も多いのではないでしょうか。

ケースバイケースですが、以下のような場合は正直に伝えたほうが良いでしょう。

① 面接で直接聞かれたとき

面接では、職歴や現在の状況について質問されることが一般的です。その際に休職していることを隠そうとすると、不自然な回答になってしまうことも。

特に、長期の休職でブランクがある場合は、「なぜ働いていなかったのか」と聞かれる可能性が高いため、正直に伝えた方が印象が良い場合があります。

② リファレンスチェックがあるとわかっているとき

リファレンスチェックとは、候補者が応募したポジションに適しているかどうかを確認するために、候補者の過去の職場や上司、同僚などに対して行う確認作業のことです。

このチェックは、候補者の職務経験やスキル、仕事に対する姿勢、性格などについて、他の人から客観的な意見を得ることを目的としています。実施する場合、求職者に無断で行われることはなく、必ず求職者の同意を得たうえで実施されます。

その場合は、休職の事実が明らかになることがありますので、応募先企業への信頼を保つためにも、事前に伝えておく方がリスクを避けられます

③ 休職期間が長い場合

休職期間が数ヶ月程度なら特に伝えなくても問題ないことが多いですが、1年以上の長期休職の場合は、何らかの形で説明を求められることがほとんどです。

「体調を整えるための期間だった」「より良い働き方を模索する時間だった」と前向きに伝えられるよう準備しておきましょう。

休職中であることが不利にならないためのポイント

① 休職理由を前向きに整理する

面接などで「なぜ休職していたのか?」と聞かれたときに、納得感のある説明ができるように準備しておきましょう。

例えば、下記のような前向きな説明ができると、採用担当者にも良い印象を与えやすくなります。

「自分の生活のバランスを大切にしたいと思い、これまでの職場の環境ではその希望と十分マッチしなかったと感じています。新しい職場では、より自分のライフスタイルに合った働き方ができると考え、転職を決意しました。」

「休職中に自己を見つめ直す時間を持ち、これからは新たな挑戦に意欲的に取り組んでいきたいと強く感じました。自身のキャリアに対してより高い目標を持っており、新しい環境でそれを実現したいと考えています。」

「休職期間中に自分の強みや興味を再評価し、今後のキャリアでさらに発展させていきたいという意欲が高まりました。これまでの経験を活かしながら、新しい分野で挑戦したいと思っています。」

「休職を通じて、心身の健康を大切にすることの重要性を実感しました。そのため、健康管理がしっかりとされている環境で、無理なく長期的に働ける場所を求めています。」

「休職中に振り返った結果、前職で培った経験を活かして、次の職場でより大きな貢献をしたいと考えるようになりました。新しい環境で自分のスキルを発揮し、価値を提供したいと思っています。」

② スキルアップや自己分析をしておく

休職期間中に何かしらの学びを得ていると、転職活動の際にプラス評価につながりやすくなります。

  • 資格取得やオンライン講座の受講
  • 自己分析を通じて自分の適性を知る
  • 転職活動に役立つ書籍を読む

 

こうした取り組みをしておくことで、「この期間を有意義に活用していた」とアピールできます。

③ 企業選びを慎重にする

無理をして休職に至った経験がある場合、次の職場選びは特に重要です。焦って転職すると、また同じ状況に陥る可能性があるため、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 残業時間や休日の取得状況(ワークライフバランス)
  • 職場の雰囲気や風土(人間関係や社風)
  • 柔軟な働き方ができるか(リモートワークや時短勤務の可否)

 

転職エージェントを活用する場合は、こうした条件を事前にしっかり伝えておくことも大切です。

うつ病などメンタル不調の方の仕事探しのポイントについて、こちらの記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

メンタル不調の方が転職活動するときの5つのポイント

転職するにあたって自分らしい仕事選びをするために、これまでやってきたこと、興味・関心のあること、得意なことや苦手なこと、成功体験・失敗体験などについて考え自分自身を見つめ直し、これまでの人生やキャリアを振り返ることをおすすめします。

また、新しい業務に対応できるまでに、気分や体調が整っているかを確認することも大切です。

「うつ病だからこの仕事」と症状に合わせるのではなく、ご自身が「どうすれば負担なく仕事ができるか」「どのように生きていきたいか」という視点を持って、仕事を選ぶことができると良いでしょう。

うつ病などのメンタル不調の方が仕事を探すうえで、大事なポイントを5つご紹介します。

① 転職活動をおこなう期間を長めに設定する

転職活動を始めても、必ずしもすぐに内定をもらい、仕事が確定するとは限りません。

さらに、転職活動は身体的にも精神的にもエネルギーを使います。そのため、ご自身の体調を気遣い、十分な休息時間を確保しながら進めていく必要があります。

そのため、転職活動をおこなう期間は長めに設定しておくことをおすすめします。焦らず、制度や相談機関を活用しながら、適切なペースで転職活動を進めることが大切です。

② 勤務時間が決まっている仕事を選択する

転職後にうつ病が悪化することを防ぐためには、安定した生活リズムを維持することが重要です。

そのため、シフト制のように勤務時間が不定期な働き方ではなく、勤務時間の枠組みがある程度決まっており、起床時間や就寝時間が大きく変化することがない仕事を選ぶことをおすすめします。

③ 通院を続けながらできる仕事を選ぶ

転職後のうつ病の再発を防ぐためには、通院を継続することが必要です。そのため、通院先の場所や診療日時を踏まえた仕事選びをおこなうことをおすすめします。

具体的には、退勤後に通院できる距離に会社があるか、勤務時間や休日が診療時間に合っているかなどを確認しましょう。

転職後、仕事の都合で転院や主治医の変更で治療が中断してしまうと、うつ病が悪化したり、再発を繰り返す可能性が考えられます。治療を継続することは仕事を継続するためにも重要です。転職活動時に事前に会社の情報をしっかり確認しておきましょう。

④ ハローワークを利用する

ハローワークでは、うつ病や精神疾患を持った方の就職支援もおこなっています。

具体的には、「一般」だけでなく「専門援助部門」があり、一般雇用だけでなく障害者雇用を考えている場合や、どのような雇用形態で就労すべきか迷っている場合にも相談できます。

就職活動では転職サイトを活用する選択肢もありますが、ハローワークには求人情報が豊富にあり、無料で利用できるためおすすめです

⑤ リワークを活用する

転職サイトやハローワークを利用して転職活動を進めることに不安がある場合は、リヴァトレなどのリワーク施設を活用することを検討してみても良いでしょう。

リワークとは「return to work」の略で、ある程度うつ病が回復した方が、再就職を目指してリワーク施設で必要な知識やスキルの習得に向けたトレーニングをおこなうものです。また、リワーク施設では就職活動の支援だけでなく、就職後の職場定着支援も行っています。

そのため、就職後に問題が生じた場合でも、リワーク施設の支援員との定期的な面談などを通じて支援を受けられ、安心して働き続けられるでしょう。

休職から安定した転職をするために「リワーク」を活用しよう

前章で記載した通り、休職を経て復職や転職を考える際、焦らずしっかり準備を整えるための手段として、「リワーク」を活用するのも一つの選択肢です。

仕事から離れている期間が長くなると、ビジネススキルや体力が十分に回復していなかったり、「自分に合う働き方が分からない」と感じたりすることもあります。その状態のまま再就職すると、職場のストレスにうまく対処できず、再び体調を崩してしまう可能性があります。

実際に、うつ病の再発率は約60%と高く、復職後の環境に適応できないことで休職と復職を繰り返すケースも少なくありません。こうしたリスクを防ぎ、安定して働けるようになるためには、リワークを活用し社会復帰の準備を整えることが重要です。

自分に合ったキャリアプランを見つめ直せるリワーク「リヴァトレ」

リヴァの提供するリワークサービス「リヴァトレ」では、支援員の力を借りながら自分の過去を振り返り、「自分らしい働き方」について見つめ直すことができます。

リヴァトレとはメンタル不調の方向け復職・再就職支援サービスです。職場へ通勤するのと同じように、センターへ通いながら復帰に向けたトレーニングを行います。規則正しい生活が身に付けられるため、生活リズムの改善にも役立ちます。

リヴァトレでは、過去の経験から自分のやる気の源泉を探る「モチベーションカーブ」、未来に向けて大切にしたい言葉を選び掘り下げる「バリューワード」などの納得する未来を考えるプログラムを提供しています。

これらのプログラムを通し、自己分析を行ったり、ご自身の今後のキャリアについて考えていくことが可能です。

また、休職・離職期間で低下したビジネススキルを向上させるための、職場復帰後を想定した実践的なトレーニングプログラムも用意されています。

例えば「ビジネスコンペ」は、リヴァトレの利用者同士でチームを組み、約1ヶ月間にわたって課題に取り組み、最終的に発表を行うプログラムです。

ただし、解答内容や発表方法のクオリティの高さを競うことが目的ではありません。ビジネスコンペに参加することで、通常のプログラムと両立しながらタスクをこなす経験や、発表時に厳しい指摘を受ける場面など、実際の職場に近いシチュエーションを体験し、それに伴うストレスへの対処法を見つけることが狙いです。

他にも疾病理解やストレス対処など、利用者の特性や体調に合わせた様々なプログラムが用意されています。一人一人に合わせた復帰プランとプログラムで、再発を防止しながら社会復帰の準備をしていきましょう。

リヴァトレでは、同じようにうつ病を抱えながら就職活動に取り組む仲間と出会えることもメリットの一つです。再就職に向けて相談したり励まし合ったりすることで、一人で悩まずに協力し合える環境が整い、安心感を得られるのではないでしょうか。

都内4か所、仙台、大阪に拠点を構え、これまでに1,700名以上の方々を社会復帰に伴走してきた私たちが、一人ひとりのペースに合わせたサポートを提供しますので、まずはお気軽にご相談ください。

おわりに

休職中に「今の職場に戻るべきか」「自分に合った働き方がしたい」と悩むのは、ごく自然なことです。ただし、転職活動を焦って進めるのではなく、自分の状態や希望にしっかり向き合うことが重要です。

休職中の転職活動には、いくつかのリスクもありますが、それらを理解し適切に対処すれば、不利にならずに転職を進めることが可能です。特に、転職先を選ぶ際は、自分の働き方や価値観を大切にし、長く安心して働ける環境を見極めていきましょう。

休職は、これまでの働き方を見直し、自分にとってより良いキャリアを築くための機会でもあります。焦らず、自分にとって最善の選択をしていきましょう。

まずは無料パンフレットをご覧ください

リヴァトレは、うつなどのメンタル不調でお悩みの方の復職・再就職をサポートするリワークサービスです。

復帰に向けて行う取り組みについて、無料パンフレットでわかりやすくご紹介しています。

まずはお気軽にお申込みください。

※実際の支援スタッフへのご相談、事業所のご見学はこちらから

資料請求

LINE公式アカウントでメンタル不調からの回復に役立つ限定情報配信中!

リヴァトレのLINE公式アカウントでは、現在休職・離職されている方に向けて、月に数回ほど登録者限定の情報を発信しています。

  • LINE登録者限定Youtube動画「脱うつに役立つプログラム『CBGTメンテナンス』をやってみよう」をプレゼント中
  • リヴァトレ主催のイベントをご案内
  • メンタル不調からの回復に役立つ情報発信

少しでもご興味がある方は、ぜひ下記バナーをクリックして友だち追加してくださいね。

LINE公式アカウント登録

この記事をシェアする
raiko
この記事の監修
来迎成美
株式会社リヴァ リヴァトレ事業部

復職・再就職コーディネーター/精神保健福祉士1998年岩手県生まれ。東北福祉大学を卒業後、2021年に新卒社員としてリヴァへ入社。現在はリワーク支援施設「リヴァトレ仙台本町」で、プログラム提供に携わる。自分らしく感じる瞬間は「道に迷っている時」。

 

トップ
トップ