急性期(療養前半)のうつ病の方の、休職中の過ごし方について

267 views
急性期(療養前半)のうつ病の方の、休職中の過ごし方について

うつ病で休職した直後は、自分の症状や心身の状態に戸惑うことも多く、身体的にも精神的にも負担が大きい時期です。しかしこの時期をどう過ごすかは、今後の治療や回復に影響します。

この記事では急性期(療養前半)のうつ病の方を対象に、休職中のおすすめの過ごし方をご紹介します。また、やってはいけないことや注意が必要な過ごし方についてもお伝えします。

うつ病の方がどのタイミングでどんな心境になるのか、どんな行動をとればいいのか等、発症から復職までの全体的なイメージを理解したい方は、先に下記記事を読んでみてください。
(参考:うつ発症から復職まで「3つの段階フェーズと、その過ごし方のポイント」

急性期のうつ病の方におすすめする
休職中の過ごし方について

基本的には主治医の指示に従い正しく服薬をしながら、十分に休養を取ることが大切です。職場への復帰を焦ってしまうと、かえって不安が強まり回復が遅れることもあります。

ここでは、主に急性期のうつ病の方に向けて、休職中に出来ることをご紹介します。

1. 心と身体を休める

休み始めの頃は「自分だけが休んでしまって職場に申し訳ない」「ただ休むだけでなく、何かしなければ」と焦る気持ちが強いかもしれません。しかし、医師に休職と判断されたということは、治療に専念することが必要と判断されているということになります。まずはしっかり”休むこと”を心がけて過ごしてみてください。身体を休めることも重要ですし、仕事や家事、その他ストレスの要因になることから距離を置いて心も休めましょう。休息する環境が整わない方は、入院を勧められることもあります。

回復の過程は、日々よくなっていくというよりは、調子の良い日、悪い日を繰り返しながら徐々によくなっていきます。調子が良い日が1日あったからと言って急に活動量を増やしたり復職を急いだりするのではなく、主治医に相談しつつ継続して活動できるかを目安に復職を考えるとよいでしょう。

2. 薬を処方されている場合は主治医の指示通りに服用する

うつ病の薬は効果が出るまで2~4週間かかると言われています。効果が感じられないからと言って服薬をやめたり減らしたりしないで、まずは指示通りに服薬を続けましょう。もし副作用が強い場合は早めに主治医に相談しましょう。

また、症状が落ち着いてきたからと言って、自己判断で服薬をやめるのは危険です。一見症状が落ち着いてきたように見えても、それは服薬によって症状が抑えられているからなので、服薬をやめたら再度症状が悪化する恐れがあります。

また、医師の指示がないのに自己判断で服用をやめると、吐き気・不眠・めまいなどの症状が出たり、うつ病の再発や慢性化の原因にもなります。うつ病は再発しやすい病気なので、症状がよくなってもその状態を維持するためには、しばらくの間服用を続けることが大切です。

詳しくは下記記事にまとめているので、ご参考ください。
(参考:うつ病の薬の服用をやめる前に知っておくべき5つのこと

3. 可能な範囲で記録をとり、自分の状態をつかむ

症状が軽減してきたら、決まった時間に起きる、昼間は軽い運動をする、バランスのとれた食事を摂るなどして、徐々に生活リズムを整えていきましょう。可能な範囲で睡眠や活動の記録をつけてみることもおすすめです。うつの時は考え方が極端になり、「まったく何もできていない」「2週間前と何も変わっていない」等と思いがちです。しかし記録をつけることで、以前より活動量が増えていたり、睡眠時間が増えていたりすること等が客観的に見えるようになります。また、気分や体調の変化など気づいたことをメモしておくと、自分の状態が把握しやすくなり主治医への説明や体調管理に役立ちます。

どうやって記録をつければいいのか分からないという方は『メンタル不調者のための脱うつ 書くだけ30日ワーク』のセルフチェックシートやコンディションシートを使うのもおすすめです。こちらの本では、シートの他にも1か月で取り組む30個のワークが紹介されており、ワークを進めることで、復職に必要なことや自分自身について理解できるようになっています。
(参考:『メンタル不調者のための脱うつ 書くだけ30日ワーク』

急性期(療養前半)のうつ病の方の、休職中の過ごし方について

急性期のうつ病の方が
やってはいけない過ごし方

この項目では逆に、急性期のうつ病の方がやってはいけない過ごし方を紹介します。療養中にやってはいけないこととは、主に「治療や回復の妨げになる行為」を指しますが、中でも特に注意が必要な行動を挙げてみました。

1. 飲酒

アルコールの摂取により、薬の効果に影響が出たり、睡眠が浅くなったりと症状が悪化する可能性が高いとされているため、治療中の飲酒はおすすめできません。もしどうしても飲酒がやめられない場合は、主治医に相談してみましょう。

2. 自分の状態を正しく主治医に伝えない

「早く復職したい」「気になることがあるが大したことではないと思う」「正直に話したら怒られそう」などの理由で、主治医に本当のことを言わないことで症状の変化に気づけないこともあります。また、主治医との信頼関係が築きづらくなる場合もあります。

主治医となかなか話ができそうにない場合は、事前に情報を整理することをおすすめします。一番治したい症状は何なのか、この症状はいつからなのかという基本的なことを、自分で一度紙に書いてみることで、頭の中が整理されます。主治医の前に立つとうまく話せないという人は、整理したメモを渡すのもいいでしょう。

また「何を伝えていいのか分からない」「上手く話せない」と悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
(参考:「診察の時に上手く話せない…」心療内科・精神科で診察を受ける時に医者に話しておきたい5つのポイント

上の記事から診察で伝えたいことを整理するための「今日の診察で伝えたいこと」シートのダウンロードもできます。

3. 重大な決断をする

仕事を休んでいると「まわりのスタッフに申し訳ない」「迷惑になるから辞めた方がよいのではないか」「家族に迷惑をかけている」など、退職することや離婚することを考えてしまうかもしれません。うつの急性期には、物事を否定的に捉えてしまう傾向があります。しかし、それはうつの症状がそうさせているのであって、その人本来の考えではありません。重大な決断は、症状が回復して判断力が戻ってきてからすることにして、まずは休養に専念しましょう。

注意が必要な行動

この項目では、明確にやってはいけないとされてはいないものの、注意が必要な過ごし方について紹介します。

気晴らし

うつの急性期は無理に何かをしようとしたりはせず、心と身体を休めましょう。寝ているだけではなく何かした方が良いのではないかと思うこともあるかもしれませんが、休んでエネルギーを貯めることが大切です。ご家族やご友人も無理に気晴らしに誘うことはせず、休むことの大切さを伝えていただけるとよいでしょう。

今まで何もやる気がおきなかったのに、何か趣味のことをしたい、出かけたい、人と連絡を取りたいと思うことは回復の兆しかもしれません。ただ体力が落ちている時期なので思うように楽しめないこともあります。以前と同じように楽しめたかどうかよりも、まずは今までできなかったことをやってみれたことに意識を向けられるとよいでしょう。

また、回復してきたとしてもこの時期は休むことに専念する時期です。外出や人と会うなどは、通院や職場とのやりとりに支障がない余裕のあるスケジュールで行うことも必要です。

転職活動

急性期には、退職など重要な決断をしてはならないと前述しましたが、退職しないまでも今後のキャリアを考えるため転職活動を視野に入れる方もおられるかもしれません。

しかし、急性期に転職活動を始めるのは少しだけ保留にしましょう。転職活動では、自分のやりたいことについて考えたり、応募書類の作成や面接など、慣れない作業を繰り返す必要があります。転職活動は健康な状態でもストレスを感じるものですが、これをうつ状態のまま行うと、生活リズムが崩れ、ストレスから症状が悪化することも考えられます。

また、療養中は予想以上に体力や判断力が落ちている場合もあります。せっかく転職が決まっても、新しい仕事についていくことができなかったり、入社前のイメージとのギャップが大きく「こんなはずではなかった」と思うような結果になり、うつ病が再発することも考えられます。

まずは治療に専念し、生活リズムや体調を整えることを優先しましょう。下記記事では、うつ病の方が転職や仕事探しを始められる際に知っておいて欲しい内容をまとめています。
(参考:【うつ病の人におすすめ】仕事探しで失敗しないために、考えておくべき大切なこと

まとめ

療養の前半は、心や身体に表れている症状の他にも、休職をすることになったショックや「このまま体調がよくならなかったらどうしよう」などの不安を覚えることが多いかと思います。

しかし、焦りから無理に復職に向けて行動しようとすると、かえって復職を遠ざける結果につながってしまうこともあります。

まずは十分に休養を取り回復することに専念し、その上で主治医と相談しながら、少しずつ状態の安定と復職に向けてできることから始めてみましょう。

また、リヴァトレのようなリワークプログラムでは、ストレスへの対処方法や復職のための課題整理、自身と向き合うトレーニングができます。急性期から回復期に入り、具体的に復職を検討し始める時には、一度、利用の検討してみてはいかかでしょうか。
(参考:リヴァトレ

 

メンタル不調かも?
と思ったらひとりで悩まず
まずは無料見学・無料体験に
きてみませんか?

リヴァではうつなどのメンタル不調の方向けのトレーニングサービス「リヴァトレ」を展開しています。
グループワーク形式で行われる多彩なプログラムにより、心身のコンディションを整えて、よりよい復職・再就職を目指すトレーニングを行います。

この記事をシェアする
この記事の監修
武石 純子
株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 精神保健福祉士・公認心理士

精神保健福祉センター、精神科クリニック、精神科病院での勤務を経て、2019年に株式会社リヴァに入社。就労移行支援施設「リヴァトレ仙台」にて、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。

トップ
トップ