【アサーションとは?】うつ病等で人間関係に悩む方に向けて、職場や家庭での円滑なコミュニケーションのコツを徹底解説!

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職場や家庭で「言いたいことがうまく言えない」「ついきつい口調や威圧的な態度をとってしまう」といったコミュニケーションの悩みを抱えていませんか?うつ病や適応障害などメンタル不調を抱える方にとって、対人関係のストレスは大きな課題です。

そこでこの記事では、自分も相手も大切にするコミュニケーション「アサーション」を実践するコツや、日常生活での具体的な活用例を詳しく解説していきます。

▼アサーション実践の様子は、動画【脱うつリヴァトレCh】でも解説しています。

アサーションとは?

アサーションとは、自分も相手も大切にした自己表現のことで、アサーションを身に付けるトレーニングを「アサーション・トレーニング」といいます。

自己表現には次の3種類があります。

①攻撃的(アグレッシブ)
相手の言い分や気持ちを無視、軽視して、自分をおしつける言動のこと。

②非主張的(ノンアサーティブ)
自分の気持ちや考えを表現しない・し損なう言動のこと。

③アサーティブ
自分も相手のことも配慮した表現のこと。

 

アサーティブな自己表現のポイントとして、次の3つがあります。

*自分の気持ちや考えを把握しておく
*『私は』を主語にして、その気持ちや考えを言葉にする(Iメッセージ)
*相手の気持ちや言いたい事の背景を理解するよう努める

 

とはいえ、アサーションをすぐに取り入れるのはとても難しいことだと思いますので、具体例とともに実践のコツをご紹介していきます。

「アサーション」を実践するための2つのコツ

コツ①:Iメッセージで伝える

Iメッセージとは、「I=私は(が)」を主語にして相手に自分の意思や要望を伝える手法です。日本語だと言葉の先頭に主語をつけることはあまりないかもしれませんが、「私は」を付けてみることで、自分が何を伝えたいのかをより明確にすることができます。

例えば、「どうしよう」と言うのではなく「わたしはどうしたらよいか迷っている」と伝える、「違う」ではなく「わたしは違う意見を持っている」と伝える、「早くして」ではなく「わたしはあなたに急いでほしい」と伝える…というやり方です。

もし自分がコミュニケーションを受け取る側に立ったとき、どちらの表現だと受け取りやすいと感じるでしょうか。自分がどんな気持ちなのか?を明確して伝えることは、自分も相手も大事にすることにつながります。

コツ②:みかんていいな

「みかんていいな」は、次の4つのコツの頭文字をとったもので、これらを言語表現に取り入れる手法のことです。

みかんていいなを具体的な事例に取り入れてみましょう。

み:見たことを具体的に伝える
(例)「いつもミスばかり!やる気あるの?」▶「この書類のこことここに2箇所誤りがあったよ」

かん:感じたこと
(例)「あなたのミスでみんな迷惑してる」▶「忙しい状況なのはわかるけど、契約に関わる大事な書類なのでミスがあると私たちが困ってしまうんだよね」

てい:提案
(例)「なぜミスをするの?」▶「今日の18時までに2箇所の修正をお願いできますか?」

いな:否定されたときの代案
(例)「別の予定がある?すぐに修正してもらわないと困る!」▶「明日の正午までにお願いできますか?」

 

ここまで具体的な例も交えてお伝えしてきましたが、自分の気持ちや考えをアサーティブに伝えるためには、まずは自分が何を感じ、何を言いたいのかを明確にすることが大事なポイントです。

また、自分の気持ちや考えを全て表現しなければいけないわけではなく、「表現するか、しないか」の判断も大切になってきます。表現すること(またはしないこと)で自分が前よりも楽になれているか、自分を大切に思えているかという視点で、表現する気持ちや感情を選んでみてください。

職場での事例をもとにアサーションを実践!

では、実際に職場を想定した場面設定の中で、アサーションのNG例、OK例を見ていきましょう。

※以下に出てくる表現はあくまでも例の一つです。もしできそうな方は「自分だったらどんな表現をするだろう?」とイメージしながら読んでみてください。

【場面設定】

終業30分前、部長のデスクの隣で書類作成の作業をしているときに、部長から「明日までにこの仕事をお願いしてもいい?」と 声をかけられた瞬間。

【背景】

・ここ1か月、じわじわと自分の業務量が増えていると感じている。
・最近は昼休みを削ったり、残業もしている。
・今日で業務は少し落ち着きそうなので、疲れもたまっているし、今日くらいはさっさと仕事を切り上げて帰りたいと考えている。
・部長や同僚も自分と同じように、残業をしたり昼休みを削ったりして仕事をしている。

<NG例>

部長 :〇〇さん、明日までにこの仕事をお願いしてもいい?
あなた:あ、はい…!分かりました……(断りたいのに断れなかった.....)
部長 :じゃあよろしくね~

<OK例>

部長 :〇〇さん、明日までにこの仕事をお願いしてもいい?
あなた:あー…部長、本当にすみません。私ちょっと最近仕事が立て込んでしまっていて。疲れがたまって、気分も落ち込み気味で憂うつな感じというか…。
部長 :そうなんだ。
あなた:明日までだとちょっと難しく、期日を少し延ばしていただけるととても助かるのですが、いかがでしょうか?
部長 :了解しました、今回は他の方にお願いできるか検討してみますね!

 

今回の場面でいうと、NG例のポイントは「本当は仕事を断りたかったのに断れなかった」という点です。自分の「断りたい」という気持ちを表現していないため、自分のことを大切にできていないように感じてしまいます。言い損ねてしまうことで、言えなかったこと自体がストレスになってしまう可能性もあります。

一方、OK例では「みかんていいな」に沿って伝え方を工夫してみました。自分の状況を部長に伝えることができたからこそ、良い解決策に結びついたのではないでしょうか。

OK例の工夫したポイント

*み:見たこと(自分の現状)
 ⇒最近仕事が立てこんでいる、疲れがたまっている
*かん:感じていること
 ⇒気分が落ち込み気味、憂うつ
*てい:提案
 ⇒明日までだと難しいけれど、少し期日を伸ばしてもらえれば
*いな:否定されたときの代案
 ⇒今回は否定されなかったのでとくになし

リヴァトレのアサーションプログラムについて

うつ病や適応障害などのメンタル不調の方向けのトレーニングサービス『リヴァトレ』にも、アサーションのプログラムがあり、今回のような架空の場面を設定をしてロールプレイを行うことで、利用者の皆さんにアサーティブな表現で伝えていただいています。参加された方からは、「自分の気持ちや考えを伝えることで、気持ちが楽になると体感した」という声も。

日々の生活の中では、伝えたいことをすべて伝えられるわけではないとは思いますが、些細なことでも自分の気持ちを伝えていくことで、日々のストレスを軽減していくことにもつながるのではと思います。

いまこの記事をお読みいただいている方も、今回ご紹介したポイントを踏まえて、日常の生活や職場などの場面で、少しずつ自分の気持ちを伝えてみてくださいね。

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この記事を書いた人
横村 彩 株式会社リヴァ リヴァトレ事業部

復職・再就職コーディネーター

鹿児島県生まれ。高齢者介護や求人広告のライターなどの仕事を経て、2023年にリヴァへ入社。生活訓練施設「リヴァトレ高田馬場」にて、プログラム提供に携わる。自分らしく感じる瞬間は「何気ない日常の中にワクワクを見つけられた時」。

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