休むって具体的にどうすればいい?急性期のうつ病の方の心身の休め方

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うつ病などの精神疾患で休職することになった際に「医師や会社から休んで下さいと言われたけど、どう休んだらいいのか分からない」「休むことに後ろめたさや罪悪感がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、急性期のうつ病の方を対象に、心身の休め方について具体例を挙げて紹介します。

どうして急性期に休むことが必要なのか?

うつ病の発症原因は正確には分かっていませんが、精神的・身体的ストレスから脳のエネルギーが不足し、脳の働きに不調が生じているものと考えられています。

それによって憂うつな気分になったり、食欲や睡眠欲などの意欲が低下するといった心理的な症状が続いたり、頭痛や肩こり、めまいなどの身体的な症状を伴うこともあります。

私たちは普段の生活の中でショックな出来事があると、一時的に憂うつな気分になったり、食欲が落ちることがありますが、健康な状態であれば時間の経過とともに自然に回復していきます。

しかし、脳のエネルギーが不足していると、時間が経過しても改善しなかったり、かえって悪化することがあります。その結果、仕事や家事、人付き合いや趣味など、生活の様々な場面で支障をきたすようになり、病院での治療が必要になっていきます。

(参考:みんなのメンタルヘルス「うつ病」
(参考:こころの耳「うつ病とは」

この状態で仕事を続けることによって、単に病気の回復を遅らせ、症状を悪化させる可能性が高くなります。その結果、退職せざるを得ない状態になるなど不幸な事態を招くこともあります。

そのため、うつ病の治療を考える際にはまず、脳のエネルギーを回復させるためにも、心身の休養をしっかり取ることが大切です。休養に専念できる環境を整えるために、職場から離れ自宅で過ごすこともあります。

休むことへの罪悪感や焦る気持ちもあるとは思いますが、精神的・身体的ストレスから離れた環境で休養することが、回復後の再発予防にも大きく関わってきますので、まずはゆっくり休むことを意識しましょう。

安心して休むためにできる工夫の紹介

ここからは実際に起こりうる状況を想定して、安心して休むためにできる工夫や対処法について解説していきます。

どのくらい休めば回復するのか、先の見通しが立たないときの対処法

どのくらい休めば回復するのかについては、うつ病に至った要因も症状の程度も人それぞれなので一概には言えませんが、大まかな目安として急性期が1〜3か月、回復期が4〜6か月だと考えられています。治療計画についてはできるだけ詳しく主治医に相談し、意見を聞きましょう。
(参考:こころの耳「うつ病の治療と予後」

急性期で大切なのは、いかに心身を休ませるかという点ですが、ただ寝ているだけでは苦痛だと感じる方もいるでしょう。その場合は「先のことではなく、まずは今日1日をどう過ごすのか」という身近なところから見通しを立ててみるのはいかがでしょうか。

休職中は朝起きても何をしていいのか思いつかず、気分が悪くなったり自分を責めてしまう方もいるかと思いますが、そこで「とりあえず着替えて、朝食を食べよう」など、今の自分にできそうなタスクを課すことで「自分は何もできていない」という気持ちを軽くさせられるかもしれません。

職場との連絡にストレスがかかる場合の対処法

休職中の職場との連絡がストレスに感じる方は、連絡方法や頻度の見直しをするのも1つの手段です。電話やメール、社内のシステムなど、どんな方法であれば負担を少なくしてやりとりできるのか上司に相談したり、連絡可能な時間帯を事前に伝えておくなどの工夫をすることで、自身にかかるストレスが軽減される場合があります。

また、仕事内容や役職によっては、休んでいても他部署や取引先から休職者本人に直接連絡が行く場合があるので、社用携帯の取り扱いについて上司に相談しておくことも大切です。

家にいても気分が晴れないときの対処法

家にいても気分が晴れないときは、主治医や自身の体調と相談しつつ、日中散歩をしたり公園や図書館に行ったり、親しい友人と会って話すなどの気分転換をしてみましょう。

同時に、家の中で感じるストレスを減らすことも大切です。家事を他の人に任せて1人の時間を持つなど、家族に協力してもらいながら自身の気持ちが楽になることを取り入れましょう。

また、質のよい睡眠とバランスのとれた食事は心身の回復に重要な要素です。睡眠環境を整えたり、ビタミンB群や葉酸、トリプトファン、鉄分など、うつ病の方に不足しやすいと言われている栄養を取ることも意識してみましょう。
(参考:新宿ストレスクリニック「うつ病の治療方法や期間・回復までの流れ」

休職していることへの罪悪感が強いときの対処法

うつ病は真面目で責任感が強い人ほどかかりやすい病気だと言われることがありますが、休職中も「職場に迷惑をかけてしまった」「退職した方がいいのではないか」と自分を責めてしまう方もいるかと思います。

うつ病に限らず、病気は本人が望んでなったものではなく、症状をコントロールするのも難しいものです。休職していることへの罪悪感が強い方は「今の自分の仕事は、休養を取り主治医の指示に従って治療を受けること」と考えて回復に努めることも大切です。

休職したとしても、療養後に復職して同じ会社で勤務されている方も大勢います。

休職中の過ごし方で迷ったらリワークを利用するという方法も

ある程度症状が落ち着き、復職への意欲が出てきた方は、家族や主治医と相談したうえで、リワークの利用を始めるのも1つの方法です。

リワークとは、うつ病などの精神疾患により休職して療養期間を経た方が、職場復帰に向かうために行うトレーニングのことを指します。認知行動療法やグループワークなど、様々な復職支援プログラムを通して再発リスクを軽減し、本格的な職場復帰へとスムーズに移行できるようにするサービスです。

また、復職だけではなく再発予防やストレスへの対処方法を学ぶことで、再休職などを防ぐことも目的としています。

運営元が提供する休職・離職者向けサービス「リヴァトレ」では、疾病やストレス対処法を身につけたり、働き方・生き方の再構築をするプログラムなど、再発を防止し自分らしく働くための様々なプログラムを用意しています。

休職中の方はよく「休んでいると予定がなくて二度寝をしたり、生活リズムが乱れてしまうけど、行く場所があると自然とリズムが整う」という話をされます。

リヴァトレでは自分のペースで通所が可能なので「まずは生活リズムを整えたい」「復職に向けて少しずつできることから始めたい」という方は、一度無料のオンライン説明会に参加して話を聞いてみるのはいかがでしょうか。

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ninomiya
この記事の監修
二宮 ひとみ 株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 臨床心理士・公認心理師

病院・診療所などの精神科領域にて勤務。精神障害者、LGBT、がん患者などへの心理的援助を実践してきた。2020年に株式会社リヴァに入社。就労移行支援施設「リヴァトレ品川」にて、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。

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