リワークにはいくつかの種類があるため、人それぞれにおすすめできるリワーク施設は異なります。病院で行う「医療リワーク」、地域障害者職業センターが行う「職リハリワーク」、各企業が独自に行う「職場リワーク」に加え、企業・NPO等の民間団体が行う民間系のリワークなどがあり、それぞれに異なる特徴があります。
ここでは、それらがわかりやすく理解できるように、各リワークの特徴やメリット・デメリットについて紹介します。リワークそのものの意味や具体的な内容についてはこちらの記事をご覧ください。
▼本記事の内容は下記【脱うつCh】でも動画で解説しております。
目次
医療リワークとは?
医療リワークは、精神科や心療内科の医療機関によって行なわれており、うつ病などで休職中の方のうち、復職の意欲がある方が対象です。リワークの期間は休職者の体調やプログラムによって異なり、数ヶ月~1年以上と幅があります。
自立支援医療を申請することで、自己負担額が3割から1割となり、1日あたり600~700円で利用できます。自立支援医療では前年の世帯所得により1か月あたりの上限金額(0円~20000円)が設定されることがあります。
医療リワークのメリット
- 専門医や保健師、看護師、臨床心理士など、専門家がスタッフの中にいることが多く安心感がある
- リハビリの意味合いが強く、再休職の予防を最終目標としているため、プログラムの中に病状の回復と安定を目指した治療も含まれている
医療リワークのデメリット
- 復職意欲のある休職者が対象のため、失業中の方は医療リワークを利用できない
- リワークを実施している医療機関は限られており、通院先と主治医の変更が必要になる場合がある
職リハリワークとは?
各県に設置されている地域障害者職業センターが職場復帰支援(リワーク支援)の名称で実施しています。センターの職員が休職者本人と雇用主、主治医をコーディネートし、三者の合意後12~16週の職業リハビリテーションを実施します。
目的は職場への適応に向けた本人と雇用主への支援であり、治療が目的ではないのでご注意下さい。
職リハリワークのメリット
- 費用は基本的に無料(但し、施設によっては有料の場合もあり、事前に確認が必要)
- センターでは休職者本人だけでなく、事業者に対してもアドバイスや支援を行い、スムーズな復職をサポートしてくれやすい
- 障害や疾患がある方の就労や就職に関するノウハウが豊富にあるため、具体的なアドバイスが受けられる
職リハリワークのデメリット
- 雇用保険財源事業のため、公務員は利用できない
- 病状の回復や治療が目的ではないため、専門医などが在籍していない場合が多い
- 無料のため希望者が多く、利用まで数ヶ月間待機しなければならない場合がある
職場リワークとは?
企業内で行われる復職支援のためのプログラムを「リワーク」と呼ぶ場合があります。職場のリワークとして内部に医療機関や専門部署を有している企業や役所では、職場復帰訓練制度を実施している事例があります。
また、外部組織のEAP(従業員援助プログラム)サービスを利用する場合もあります。
職場リワークは、復職後に安定した就労ができるのかを見極めることが目的です。
職場リワークのメリット
- 企業内で行われるため、社内の人間と連絡や連携が取りやすく、他の施設よりも復職時のギャップが少なく感じやすい
- 試し出勤をして職場の雰囲気に慣れるなど、正式な復職に備えて段階的な行動ができる
職場リワークのデメリット
- 導入している企業が少なく、一部の企業に限られている
- 企業内で行われるため、社員など周りの目が気になり、焦りや不安から体調不良になる可能性もある
民間系のリワークとは?
うつ病などで休職中の方のうち、復職の意欲が有る方が対象になります。他のリワークとの違いは、失業中でも復職への意欲があれば利用できるという点です。
リワーク期間は人によって異なりますが、およそ3〜6ヶ月で復帰する方が多く、失業中の方は1年以上かかる場合もあります。
費用は、福祉制度を利用することによって自己負担額を1割に抑えることができます。さらに、前年の世帯所得(本人と配偶者)に応じて、1か月あたりの上限金額(0円~37200円)が設定されています。以下こちらのよくある質問記事も参考にして下さい。
(参考:よくあるご質問「Q.利用料はいくらですか」)
民間系のリワークのメリット
- 失業中でも復職への意欲があれば利用できる
- 農作業など独自のプログラムを取り入れている施設もあり、働き方の視野が広がる場合がある
民間系のリワークのデメリット
- 都内あるいは都市部で行われているものが大半になるため、その他の地方で探すのは少し難易度が高い
- 職リハリワークと同様に専門医が在籍していない場合が多い
リヴァのリワーク「リヴァトレ」とは
リヴァトレとは、リヴァが運営する民間系リワーク事業のことです。リヴァトレの目的は「再発リスクを軽減し、職場復帰へと無理なくスムーズに移行すること」と、「過去と現在を見つめ直し、これからの働き方と生き方を見直すチャンスを活かして、利用者の方がより自分自身に正直な人生へ進むことをサポートする」ことです。
リヴァトレが掲げているスローガンである「戻ろう、ではなく、進もう。」とは、この考えを端的に表現しています。
(詳しくはこちら:リヴァトレが理想とする「リワーク」の形。)
こういう人にリヴァのリワークがおすすめ
- ただ復職や再就職をするだけでなく、これからの自分の生き方について、視野を広げて考えていきたい人
- 自分の心身のコンディションに合わせて、少しずつ通所したい人
(リヴァトレでは「週2日午後のみ」からの通所が可能です。) - 就職活動をサポートしてほしい人
(面接の練習や、就活ガイダンス、ハローワークへの同行など、個別にスタッフと話し合うことで様々なサポートをしてもらえます。)
などなど
リヴァ独自のリワーク発展型サービス「ムラカラ」
ムラカラは、奈良県下北山村で行われる宿泊型転地療養サービスで、民間系リワークの一種です。ご自宅から施設へ通う「通所型」ではなく、3か月~半年程度宿泊しながらリハビリをする「宿泊型」のリワークになります。
自然豊かな土地でシェアハウス生活をしたり、メンタルケアのプロと一緒に疾病と向き合ったりすることで、より自分らしい人生へと踏み出すことを目指します。また、ご家族やお住まいの地域から一時的に離れることで、ご自身のリハビリに専念できるメリットもあります。(詳しくはこちら:ムラカラ)
まとめ
ここまで各種リワークの特徴とメリット、デメリットの説明をしてきました。施設によってプログラムの内容や雰囲気、スタッフの人柄や専門領域は異なりますので、主治医や家族と相談したり、いくつか見学して復帰に向けて自分の課題に向き合えると思うところを探すことが大切です。
また、見学や事前相談の際には、費用や期間に関することだけでなく、
- どんな専門領域のスタッフがいるのか
- プログラムの対象者は、どんな症状の人を想定しているのか
- どのように主治医との連携をとるのか
などについても確認することをおすすめします。
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リヴァトレは、うつなどのメンタル不調でお悩みの方の復職・再就職をサポートするリワークサービスです。
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病院・診療所などの精神科領域にて勤務。精神障害者、LGBT、がん患者などへの心理的援助を実践してきた。2020年に株式会社リヴァに入社。就労移行支援施設「リヴァトレ市ヶ谷」にて、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。