【うつ体験談】興味の赴くままに動いたら、考え方も変わっていた ーゆきさん(2/2)

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客観的に物事を捉える
「白か黒か」で決めつけない考え方

リヴァトレには約1年半通いました。通い始めた当初は、会話のない環境で耐え続けた前職からの反動なのか「人と話したい」という気持ちが強かったですね。

私の場合は「週2日、午後のみ」から徐々に利用日数を増やしていき、少しずつ体力の回復を図りました。リヴァトレは利用者同士のコミュニケーションが活発なので、行けば誰かと話せるという環境は私にはありがたく感じました。

プログラムを通じてうつへの理解や自己理解を深めていくなかで、私は「対人関係でも課題がある」ということに気づきました。つい、好きな人は好き・嫌いな人は嫌いと思い込み、態度に出したり、怒りをそのまま相手にぶつけてたりしてしまっていたんです。

スタッフの勧めもあり、物事を白か黒かに決めつけてしまう考え方を改善すべく、その間のグレーとして考えることを意識しました。

特に私に合っていると感じたのは「快・不快に執着/回避せず、中立性を大切にする」という考え方の『MiCBT(マインドフルネス統合認知行動療法)』というプログラムです。『MiCBT』を受けてからは、誰かと意見が食い違っても、その人すべてを否定せず、「この人はこういう考え方なんだな。こういう考え方もあるんだな。」と感じられるようになりました。これは大きな変化です。

昔の自分だと、ある人に1つ嫌なところがあると、その人自体を嫌いになってしまうことが多かったんです。でも今は怒りの感情を持っても、客観的に「いま『白か黒か』になっていないか?なっていたらグレーで考えよう。」と自分を落ち着かせることができるようになりました。

「やりたいこと」を軸に選んだ
「複業」という生き方

就職活動を意識し始めた頃、センター内に掲示されていた『ちぇぶら』というNPO団体の「インターン募集」のチラシが目につきました。

「カラダのケアと更年期の知識で、すべての人が、自分らしい充実した日々を過ごせる社会へ」ということを掲げているNPOですが、そのビジョンにとても共感したのを覚えています。

インターンに参加し、実際に関わることで、更に魅力を感じました。期間を終えた後には、自ら「これからもボランティアとして関わらせてほしい」と伝えていました。

同時に進めていた就職活動では、通院や服薬への配慮や不得意な部分を配慮してもらえる障害者枠での就職を予定していたのですが、一方で「フルタイム勤務をしてしまうとボランティアが出来なくなってしまう」とも考え、悩みました。

スタッフに悩みを話していると、「やりたいことがあるのは素敵なこと。ボランティアが好きなら、それを生活の軸にしてみるのもありかもしれませんね」と言われました。雑談のような会話の一節でしたが、そんな風に考えたことがなかったのでびっくりしました。

その言葉が心に残り、『ちぇぶらでのボランティアを軸とした就職活動』にチャレンジしてみることに。

行動し始めると、意外にもトントン拍子に働き先が決まり、今は『ちぇぶら』を軸に、合計3社での複業(パラレルワーク)に取り組んでいます。

小さな一歩を踏み出すことで
きっと、何かが変わっていく

私は「失敗しても、人間だし」と思いながら、小さなチャレンジを繰り返しました。うつになってからの最初のチャレンジは、自宅療養中に細川貂々先生が登壇されるイベントにいくために一歩踏み出したこと。その一歩が今の私につながり、いつの間にか満足のいく就職につながりました。

何かを始めるということは、誰だって怖いと思います。
でも、出来そうな小さな一歩からチャレンジしてみると、きっと何かが変わってくる。私は今、そう思えています。

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この記事を書いた人
北口 ひとみ 元リヴァスタッフ

大阪出身。上京後はWEBディレクターを経て、リヴァへ入社。支援職をする傍らリヴァマガの運用管理に携わる。大阪移住を決意しリヴァを卒業。元リヴァ社員として退職後も執筆を継続。

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