うつ病の方の中には「生活するためには仕事を続けなければいけない」「うつ病を仕事しながら克服したい」そういった方が多いのではないでしょうか。一方で、「本当にできるのだろうか」「今までと同じように働ける自信がない」そういった不安を抱くこともあるかと思います。
この記事ではそういった不安を抱えているうつ病の方が、うつ病を仕事しながら克服していくために押さえておくべきポイントについてお伝えしたいと思います。
▼本記事の内容は下記【脱うつCh】でも動画で解説しております。
目次
うつ病を仕事しながら克服することは実際のところできるのか
うつ病の症状が非常に重い場合には、休職して心身ともに療養することが必要となることもあるでしょう。しかし、うつ病の症状の程度によっては必ずしも休職をしなければいけないというわけではありません。心と身体のバランスをうまくとり、周囲の理解を得ることで、うつ病を仕事しながら克服することは不可能ではありません。ただし、休職する場合とはまた違った注意点などがありますので、それらのことを頭に入れて取り組んでいきましょう。
「仕事」「うつ病の克服」その両立を目指す際の2つの注意点
うつ病を仕事しながら克服していくためには、前提として押さえておくべき注意点があります。ここでは2つに絞って説明します。
1.主治医に相談する
うつ病を仕事しながら克服したいと思ったときには、まずは主治医に相談してみてください。療養が必要な状況で無理に仕事を続けようとすると、症状が更に悪化してしまう可能性があります。自己判断では決めずに、まずは主治医に相談してみましょう。
2.「完治」ではなく「寛解」を目指す
うつ病を仕事しながら克服するためには、うつ病という病気がどのような病気であるのかについて理解している必要があります。その中でも特に、うつ病は再発率が高い病気であることと、「完治」ではなく「寛解(病状が治まっておだやかな状態)」を目指すものであるということを理解しておくことで、症状との向き合い方が変わってくると思います。
うつ病を仕事しながら克服するために大切な5つのこと
ここでは、うつ病を仕事しながら克服するために大切な5つのポイントについて、具体的に説明していきます。
1.生活リズムを整える
①食生活
基本的なことですが、バランスの良い食事を摂ることは心と身体の状態を整えます。国立精神神経センターなどの研究機関でも言われている通り、食生活や栄養バランスなどがうつ病と関連しているということも近年言われています。偏った食生活にならないよう、栄養バランスを考えた食事を摂るようにしましょう。
②睡眠
心と身体の疲れを取り除くためには睡眠がとても大切です。また、仕事を継続するためには決まった時間に起きて、決まった時間に出勤することが必要になります。自分に必要な睡眠時間を把握し、起床時間と就寝時間をある程度定めて規則的な生活を送るようにしましょう。また、休日であっても夜ふかしや寝すぎることはできるだけ避け、睡眠リズムを維持することが大切です。
③運動
適度な運動はうつ病の改善に有効であると言われています。ストレッチやラジオ体操、散歩やランニングなど、自分にあった運動を日常生活に取り入れるようにしてみましょう。運動する際には、行動活性化法などを頭に入れて取り組むことをオススメします。
2.自分なりの「うつ病」について理解する
①自分の症状を理解する
うつ病には様々な症状があります。気分の落ち込みや、注意力・集中力の低下、意欲の低下といった周囲の目には見えない”心の症状”。不眠や食欲低下、頭痛といった”身体の症状”。様々な症状がある中で、自分自身にどういった症状が現れやすいかをまずは把握していきましょう。自分自身の症状を理解しておくことは、職場の人に理解してもらうためにも役立ちます。
②不調の前兆を理解する
うつ病の状態は良くなったり悪くなったりします。「調子が悪くなりそうだな」と早い段階で気づくことができれば、こまめな休養を取ることもでき、仕事を休むことや無理をして倒れ込むなどの極端な状況を未然に防ぐこともできます。前兆となる症状を自分なりに分析・把握していくことを心がけてみてください。
3.主治医、カウンセラーに継続相談する
①通院を継続する
「良くなったな」と思える状態が続いてもそこで通院や服薬を中断してしまうと、悪化のリスクを高めます。とはいえ仕事をしながらだと忙しくてなかなか時間を作ることが難しくなり、後回しになってしまいがち。ですので、予め継続して通院できるような余白を設けた上で、仕事やプライベートのスケジュールを組むことをオススメします。
②カウンセリングを受ける
主治医との診察に加えて、カウンセリングを受けることも良いでしょう。うつ病を仕事しながら克服しようとしている中での大変さや困っていることについて、じっくり話すことができ、気持ちが整理されていくと思います。もしも仕事を続ける中で気分の落ち込みや否定的な感情が度々生じるようであれば、認知行動療法を受けてみることもおすすめします。仕事を行う中で落ち込むことや否定的な感情になることを減らせる可能性があります。
4.働き方を工夫する
①上司や同僚に理解してもらう
うつ病は端から見るとわかりにくい病気です。また、調子が良い日は普通に仕事もできたりするため、調子が悪い日に業務の遂行量やスピードが低下すると「怠けている」と誤解されてしまう可能性もあります。そういったことを避けるためにも、まずは上司に時間を取ってもらい、うつ病に罹患していることや症状に波があることなど、具体的に共有しておきましょう。なかなか伝えにくいと感じるかもしれませんが、職場に理解者がいる環境を作っておくことは仕事をしながらうつ病を克服するためにも大切です。
②やれるときにやれる仕事をこなす
うつ病の症状に波があるということは、業務遂行量とスピードが一定ではないということです。今日調子が良くても、明日調子が良いかどうかはわかりません。そのため、後回しにしたりせずに、無理しない範囲で今できる仕事を今着実にこなしていくことを心掛けると良いでしょう。
5.頑張りすぎない
①自分自身への要求水準を下げる
うつ病になる人は元来真面目な性格の人が多いこともあり、自分自身の仕事に対して厳しく評価しやすい傾向があります。健康な状態であれば上昇志向であることは良いことですが、うつ病の克服を目指すのであれば、自分自身への厳しい評価は控えたいところ。ですので、小さなことでも出来たことを1つ1つ評価していくよう心掛けてみてください。
②ときには休んでも良いと考える
生活リズムを整えるために働き方を工夫していても、うつ病の症状によってはどうしても出社できない状態になる可能性もあります。その時は、無理せず休むことを考えましょう。うつ病に限らず、体調不良などで休む人は一定数います。仕事を休むことに対するハードルを少し下げてみてください。
無理はしない!経済的支援制度なども活用して休職することも視野に入れる
仕事を続けながらうつ病を克服しようと頑張ってみたものの、業務遂行に支障がでてしまうことや、うつ病の症状が良くならないどころか悪化してしまうこともあると思います。その時は無理をせずに休職を考えてみてください。仕事とうつ病治療の両立を試みたことは無駄なことではありませんし、もちろん休職も長期的にみれば後ろ向きな選択ではありません。経済的な心配があるようであれば、休職時に使える様々な支援制度がありますので活用してみてください。
さいごに
自分自身のうつ病の特徴を理解し、周囲の理解を得ながら働き方を工夫することで、仕事をしながらうつ病を克服することは可能です。もちろん、無理せず休職するという選択も含めて、まずは主治医と相談しながら寛解を目指していきましょう。
リヴァで行っているサービスについて
リヴァでは「リヴァトレ」という職場復帰支援(リワーク)を行っており、職場へ通勤するようにセンターへ通いながら、よりよい復職・再就職を目指すトレーニングをすることができます。
主治医から復職の許可が下りても、すぐに職場に復帰したり、あるいは就職活動をするのは不安であったり難しく感じられる方もいるでしょう。体調が回復し今後の生活やキャリアについて考える余裕が生まれた段階で、一度相談してみるのはいかがでしょうか。
また、センターへは週2日から通所可能なので、完全に回復していない方でも少しずつトレーニングをすることができます。
特に以下の方にお勧めです。
- 働くための生活リズムを整えたい方
- 服薬と休養以外のストレス対処法を身に付けたい方
- 職場で働く力の回復・向上を目指したい方
- 働き方・生き方の再構築をしたい方
センターの無料見学・体験も可能です。また『よくある質問』についてもまとめておりますので、ご参考ください。
(参考:リヴァトレ よくあるご質問)
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大学で臨床心理学を専攻したのち、都内の精神科クリニックの相談員や行政での生活保護業務など様々な領域を経験している。株式会社リヴァに入社後は、生活訓練・就労移行支援のどちらにも携わり、心理系プログラムを中心にサービス提供を行っている。