うつ病で無収入に…そんなときに備えて知っておきたい「生活保護制度」

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病気で仕事を離れて収入がなくなると、医療機関を受診することが難しくなったり、生活そのものが不安定になったりすることがあります。

そうした場合はとても不安な日々を過ごすことになりますが、日本には収入がない人を支える制度として「生活保護制度」があります。

生活保護制度とは?

生活保護制度は「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長すること」を目的としています。

申請の窓口は、最寄りの福祉事業所や市区町村の窓口です。窓口で相談をすると、資産の有無、就労できるかどうか、他に扶養者がいるかの調査が行われます。

その上で「保護が必要」と判断されると生活保護を受けることができます。親族との関係や状況によっては必ずしも扶養調査が行われるわけではありませんが、ケースバイケースですので、詳しくはお住まいの自治体にご相談ください。

保護の種類

生活保護制度では以下のような扶助が支給されます。

生活扶助

日常生活に必要な費用を受けることができます。例えば食費や光熱費、その他日常生活に必要なものを購入するためのものです。

住宅扶助

住居に関する費用です。お住まいの地域によって等級が異なり、それに応じて金額の差があります。一般的に東京23区が一番高い金額で設定されているようです。

医療扶助

費用を自己負担することなく、医療サービスを受けることができます(費用は直接、医療機関へ支払われます)。うつ病で治療中の方は、生活保護によって医療費のサポートを受けることができます。

生業扶助

就労に必要な技能の修得にかかる費用が支払われます。ただし、生活保護法の範囲を超えて、条例で別に定められているものもあります。

例えば、東京都では自立促進の事業として行っており、就職活動に必要なスーツ代や交通費、それにカウンセリングの費用も一定限度額以内で支給されるようです。都道府県によって若干異なるので、詳しくはお住まいの自治体に確認してください。

【参考】墨田区ホームページ

その他

教育扶助、出産扶助、葬祭扶助、介護扶助などもありますので、詳しくは市区町村の窓口にご相談ください。

【引用】厚生労働省 ホームページ

受給のメリット、デメリット

受給のメリットは、生活が安定することで、次のステップに進む準備ができることです。病気によって生活に不安が生じている場合は、とても助かる制度だといえるでしょう。

一方、デメリットとしては「本人の考え方や感じ方によっては受け入れにくい場合がある」ということが挙げられます。「周囲の方々からどう見られるか」といったことが気になるのも、自然な感情です。

実際に受けるかどうかは、ご本人次第ですが、どなたかに相談されてもよいでしょう。

最後に

生活保護制度は、あくまでも“自立を支援する制度”です。永久にもらえるものではなく、心身の状態が整えば、就労に向けた行動も必要になります。

どういう生き方をしていくかをじっくり考える時間を設けるために受給を検討されるというのも、一つの手かもしれませんね。

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この記事を書いた人
脊尾 大雅 秋葉原社会保険労務士事務所

社会保険労務士/精神保健福祉士
メンタルヘルス対策、ストレスチェック、アサーションと労務管理の専門家。
労使双方の成長につながる研修の実施を通じて、より良い職場環境づくりを行なっている。

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