解説コラム
「松浦さんって、いつも元気で活動的だよね!」
双極性障害の当事者であることをオープンにするまで、私は周囲の人からそんな印象を持たれることがよくありました。
きっと軽躁状態になる度に色々なイベントに参加したり、企画を思い立っては色々な人を巻き込んだりしていたせいでしょう。
ただ、活動的なのはあくまでも軽躁状態の特徴の一つであり、症状が落ち着いてきたり、うつ状態になって気分が落ち込んだ途端、軽躁時に交わした約束が果たせなくなります。
私が疾患を抱えていることを知らない周りの人たちには「心配をかけたくない」「活動できない自分を知られたくない」といった思いから、多忙を言い訳にしてお誘いを断っていました。
そのため、「松浦さんは、いつも忙しいんだな」と思われてしまい、“元気で活動的な人”というイメージが一層加速していったようです。
現在は病気について開示しているため、うつ状態になったときも自分を偽ることなく、正直に体調が悪いことを伝えられるようになりました。
病気を隠している罪悪感でうつ状態を悪化させることもなくなり、気分の回復も以前より早くなっています。
ただ、誰かれ問わず開示すれば良いとも思いません。私は開示により、心無い事を言われたこともありました。
ですので、「この人なら信頼できる」という一人の方にまずは伝え、様子を見てみるのが良いのではと思います。
また、軽躁状態になるサインに気づいた時点で予定を入れすぎないよう心がけていて、スマホのGoogleカレンダーを使い、気分の波を視覚的に管理しています。
双極はたらくラボ編集長/公認心理師/精神保健福祉士
1982年島根県生まれ。21歳の時に双極性障害を発症。20代で転職3回休職4回を経て、リヴァの社会復帰サービスを利用。後に同社へ2012年に入社(現職での休職0回)。 一児の父。