リヴァでは「近くにリヴァトレセンターがない方にも、うつから復帰するためのヒントをお伝えしたい」という思いから、2014年に『「うつ」で見つけた自分らしい人生』(日本法令)という本を刊行しました。
この記事では引き続き、『「うつ」で〜』の内容をご紹介します。(まだ 1/3 を読んでいない方は、こちらからお読みいただけます)
自らカウンセリングについて勉強 “あるがまま”を受け入れる大切さに気づく
休職から1年半が経ち、服薬と休養で抑うつ気分も緩和され始めたころに、少しずつ色々なことに興味が向くようになり、うつ病に対する理解を深めたいと思い始めました。
もともと大学の教養課程で心理学を勉強したこともあり、これまで受けてきたカウンセリングについても興味が湧きました。「うつ」というこの辛い経験も好きでなったわけではないし、逆にこの経験が誰かの役に立つならと思い、カウンセリングの勉強をスタート。
カウンセラーになりたくて、というよりもまずはピアサポートの位置で出来たら、くらいに思って始めました。 自分の今の気持ちや状態を把握する練習を重ね、徐々に出来始めました。
色々な精神療法の中でも、認知行動療法(認知・行動に働きかけて、こころのストレスを軽くしていく治療法)の学習がはまり、そこから物事の捉え方にも変化が生じました。
自分はなんでも完璧にやりたい思考が強かったのですが、いつしか自分は「完璧星という星から来た完璧星人なんだ」と思って割り切れるようになりました。
今度から完璧へのこだわりを調整すればいいのかと。自分を受け入れることができました。あるがままの自分を受入れることの大切さに気づいたと思います。
学んだストレス対処方法を活かし 以前とは少し違う自分に
認知行動療法を学んでからは大きな落ち込みはありませんでした。一時期、仕事により強いストレスがかかって凹んだときはありましたが、自分で対処することが出来ました。
あるエピソードとして、転職先で、ある工業製品の試作品を作る中小企業側と大手電機メーカーとの間に入って注文の仲介業務をしていた時のこと。試作品は30個作ってやっと1個の良品が出るくらい技術的に難しく、その1個がなかなか出来ないため、納品が間に合わないトラブルが発生しました。
板挟みによるプレッシャーがかかりましたが、1人で抱え込まずに他のメンバーも巻き込んで対応を協議することで大火事にならずに済みました。きっと以前なら顧客窓口となった自分が1人で責任を負わなきゃ、謝罪しなきゃと思い込んでいたと思います。
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