コミュニケーションや考え方の特徴を知る – 自己分析プログラム –

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こんにちは。リヴァトレ事業部の長谷川と申します。
この記事では、リヴァトレで提供している自己分析プログラムについて、ご紹介します。

一口に「自己分析」といっても様々なものがありますが、果たしてリヴァトレでは、どんな狙いで、どんなことに取り組んでいるのか!?ちょっとだけお見せしちゃいますね!

リヴァトレの自己分析プログラムとは?

リヴァトレの「自己分析プログラム」は、心理療法の1つである交流分析(後述します)の理論をもとに実施しています。

主な目的は、2つ。

利用者さんにご自身の「行動、コミュニケーション、物事に対する捉え方」の傾向や癖に気づいていただくこと。

そして、“分析結果”に基づいて「より良い人間関係を構築し、人間関係で生じるストレスへの対処力を上げるために、どんな行動をしていけば良いのか」を考えていただくことです。

交流分析のさまざまなツールで自分の特性を知ることにより「このままでいい!」という部分と「このままだと辛い!」という部分が見えてきます。

「このままだと辛い!」という部分を抑えたり、改善したりするためには、これまでと異なる行動・考え方のパターンを身につけることが欠かせません。

そこで、「普段の生活」「リヴァトレでの取り組みやコミュニケーション」の中でどんなことを試していけば良いのか、他の利用者の皆さんのアイデアを借りながら、具体的にしていくことが最終目標になります。

なんとなくリヴァトレでの自己分析プログラムの狙いは、おわかりいただけましたでしょうか!?

それでは、もう少しだけ具体的に、交流分析そのものやプログラムの中身についてご紹介したいと思います。

交流分析(Transactional Analysis)とは?

交流分析はパーソナリティ理論の1つであり、1950年代半ばに、アメリカの精神科医であるエリック・バーン博士によって開発されました。

言動や物事の捉え方の傾向を図式化・数値化することで、一般の方にもわかりやすく、普段の生活にも組みこみやすい内容になっていることが特徴です。

自己分析の中身をちょっとだけご紹介 ~エゴグラム~

リヴァトレの自己分析で用いている交流分析理論の中から、「エゴグラム」について簡単にご紹介いたします。

エゴグラム

リヴァトレの自己分析では、「今の心の機能のエネルギー状態」とご紹介しています。

人間一人ひとりが持っている心の機能を5つに分類。自分はどの機能を使いやすいのか・使わないのかを図式化したものが、このエゴグラムです。

5つの心の機能

1. CP(Critical Parent)
 批判的な親の機能、厳しさ

2. NP(Nurturing Parent)
  養育的な親の機能、優しさ

3. A(Adult)
 大人の機能、理性的な判断

4. FC(Free Child)
 自由な子供の機能、自由さ・豊かな感性表現

5. AC*(Adapted Child)
 適応的な子供の機能、周囲に適応・従順

*「AC」の機能をさらに2つに分け、合計6つの機能に分けるパターンもあります。

では、ここで1つクイズです。

ある状況に対する考えや対応を例にとって、どの心の機能が使われているのかを当ててみましょう。

トリさんラマさん「親しい友人が待ち合わせに、連絡も無く10分遅刻してきた」という同じ状況で、以下のような対応をしました。

トリさん
「いくら親しいからと言って、連絡せずに遅刻なんてあり得ない。」と、友人に注意する。

ラマさん
「今まで彼は無断で時間に遅れることなんて無かった。何か事情があったのかもしれないから、遅れた理由を聞いてみよう。」と、友人に話を聞いてみる。

さて、トリさんラマさんは、どの心の機能を使って対応をしたでしょうか?

さて。答えは、おわかりになりましたか?



トリさん「CP(批判的な親の機能、厳しさ)」
ラマさん「A(大人の機能、理性的な判断)」
の機能を使っています。

この状況、皆さんであれば、どんな対応をするでしょうか???

このように、同じ状況であっても、人が違えば、対応や状況の捉え方は千差万別です。

エゴグラムを使って、この対応や状況の捉え方を、心の機能として“見える化”することで「自分が無意識にどのような対応をしてしまうのか」を簡単に分析することができます。

その分析結果から、

「NP(養育的な親の機能、優しさ)の機能を使うのは、少し控えた方が良いのかもしれない。」

「もっとFC(自由な子供の機能、自由さ・豊かな感性表現)の機能を使っていこう!」

など、皆さんがより良いコミュニケーションをとったり、ストレスを減らしたりするために、それぞれの心の機能を主体的にコントロールして使う方法を検討していきます。

良い方法が見つかれば、その後は機能を使う練習あるのみ!

もし、FCをもっと使っていきたい、という方であれば、

リヴァトレのプログラムで、自分の意見や良いと思ったことを、素直に伝えてみる
畑プログラムに参加して、陽に当たりながら土の感触を楽しんでみる
趣味のフットサルで、友人と思いっきり騒いでくる
などなど。

これまではあまり使ってこなかった機能であっても、もともと人間(自分)が持っている機能な訳ですから、練習することで必ず身につけることができます!

おわりに

利用者さんの多くは、人間関係やコミュニケーションに関する課題をお持ちです。そのため、比較的、通所初期の段階で「自己分析プログラム」に参加することをお勧めしています。

なるべく早くご自分の特性や課題を把握することで、ご自身がより良く生きていくための心の機能の使い方を、たくさん試していただきたいな、と思っています。

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この記事を書いた人
長谷川 亮 株式会社リヴァ リヴァトレ事業部

公認心理師/産業カウンセラー
バイオサイエンス業界の技術営業などを経験した後、リヴァトレの元利用者を経てリヴァに入社。現在は再就職支援施設「リヴァトレ市ヶ谷」のセンター長として、プログラム提供やキャリアコンサルティングに携わる。

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