復職のために今やるべきことは?メンタル不調の回復段階ごとに取り組みたいポイントを解説

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「復職に向け準備したいが、何をすべきか分からない」「復職は決まったが、再発が不安」など、復職に対する悩みや疑問を抱えていませんか。

復職にあたっては、ただ職場に戻るのがゴールなのではなく、再発しないための準備も大切です。

この記事では、メンタル不調で休職している方向けに、回復段階に分けて取り組みたいポイントや、利用できる支援制度などをまとめて解説します。

休職直後の方へ

「このまま復職できるんだろうか」
「ずっとこの状態が続いたらどうしよう」
「給料はどうしよう」

休職直後は、体調も悪く、先の見通しが難しい状態の方も多くいらっしゃると思います。

ここでは、平均休職期間と回復段階ごとの過ごし方をまとめています。「先のことが不安で落ち着かない」という方は、回復のイメージをつかむ参考にしてみてください。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。

平均休職期間

うつ病や適応障害などの、メンタル不調による平均休職期間は「107日(約3.5ヶ月)」といわれています。
(参考:厚生労働省,主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究,P42)

平均休職期間は、あくまで目安です。症状の程度や、療養する環境によっても休職期間は変化します。

無理な復帰は再発のリスクを高めるため、診断書に書かれている休職期限が近いからといって、症状が良くなっていないまま復帰するのは避けましょう。

メンタル不調の再発率は約60%と高く、再休職になると平均157日(約5か月)と1回目の休職期間より長くなる傾向があります。

焦る気持ちは自然なことですが、今はご自分の体の回復に専念しましょう

休職から復職までの回復過程

はじめて休職する方は、休職から復職までどのような過程をたどるのかが分からず、漠然とした不安を持つ方も多いと思います。

まず、うつ病や適応障害などのメンタル不調の回復過程は、「急性期」「回復期」「直前期」の3つに分かれます

急性期:症状が重く、ベッドから起きられない状態。やることは休むことだけ。
回復期:症状が落ち着き、外出や軽い運動ができるようになる。復職準備を始める段階。
直前期:日常生活が安定し、復職面談に向けた準備を整える時期。

段階ごとに取り組むことは異なります。今のご自身の状態に合わせた過ごし方をしましょう。

急性期|療養する

休職したばかりの方や、症状が重い方は休むことに専念しましょう。そして、主治医の指導に従い、薬を飲むことも大切です。

休んでいるだけで本当に良くなるのか疑問に感じる方もいるかと思います。しかし、休むことも治療の一環です。ストレス源から離れて療養することで、脳や体の回復を促すことができます。

また、1日の出来事を生活記録表(活動記録表)に記入することもおすすめです。

生活記録表とは、毎日の起床・就寝時間、食事、服薬、日中の活動内容などを1枚の紙に記録する表のことです。

生活記録表をつけることで、ご自身の状況を客観的に振り返ることができ、復職準備や生活リズム改善などに活かせます。

はじめは難しく考えず、書けそうなところだけで十分です。その日の心身の変化や症状を書いておくと、診察時に医師に共有しやすくなります。

生活記録表の記入方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。生活記録表のダウンロードもできるので、ぜひチェックしてみてください。

回復期|再発防止の対処をする

症状が和らいできたら、療養を続けながら、復職に向けて準備をしましょう。

復職の準備として、カフェや図書館などに通う習慣をつけて生活リズムを整えながら、休職の原因を振り返り、再発防止策を考えておくことが大切です。

回復期に無理をすると症状が悪化する可能性があるため、最初は1日30分程度と時間を決めて、徐々に負荷を上げていきましょう。

詳しい方法については「復職に向けた準備をする」で解説しています。

直前期|主治医に復職したい旨を伝え、職場復帰面談をする

復職する意欲が湧いてきたら、診察時に主治医に伝えましょう

主治医は心身の回復具合に応じて、復職できるか、あるいは療養を続けるべきか客観的に判断をしてくれます。

その後の職場復帰面談では、人事・労務担当者に加え、産業医が参加する場合もあります。

具体的に産業医が何を見ているかについては、「産業医がチェックする5つの判断基準」で解説しています。

面談で復職可能と判断されたら、復職日が決まります。

お金の不安を減らす経済的な支援制度

休職する場合、気になるのは金銭面だと思います。

休職中に利用できる支援制度を活用すれば、お金の不安を減らし、治療に専念できます。申請方法や支給される額、注意点などは、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

復職を考え始めた方へ

少しずつ体が動くようになり、「そろそろ復職できるかな」と考え始めた方も多いのではないでしょうか。一方で、こんな不安もあると思います。

「復職面談、ちゃんと通るだろうか」
「今のうちにやっておくべきことがあるんだろうか」
「また同じことを繰り返してしまわないか」

ここでは、再休職を防ぐための過ごし方や復職面談で見られるポイントについて解説しています。回復期で「何をすればいいかわからない」という方は、参考にしてみてください。

再休職を防ぐための休職中の過ごし方

ここでは、再休職を防ぐための回復期の過ごし方について解説します。

自己判断で治療を中止しない

回復期とは、休職したばかりの頃よりも症状が和らいでいる状態を指します。この時期は活動範囲も少しずつ広がっていきますが、再発リスクも高いため、体調が良くても自己判断で治療を中止しないようにしましょう。

自己判断で治療をやめると、薬の離脱症状がおこったり、病気の再発や慢性化の原因につながる可能性があるからです。

スムーズに復職するためにも、自己判断で治療はやめないようにしましょう。薬の副作用が気になる場合は、主治医とよく相談してください。

1日の生活リズムを整える

回復期に入ったら、1日の生活リズムを休職前に合わせることを意識しましょう。復職面談では「生活リズムが整っているか」を確認されることが多く、乱れたままだと復職が認められない場合もあります。

具体的には、休職前と同じ時間に起床・就寝することから始めてみてください。例えば、毎朝6時に起きて23時に就寝するリズムなら、復職前の段階で身につけておくことが大切です。

なかなか寝付けない方は、日中に散歩や軽い運動を取り入れてみましょう。体を動かすことで、自然と寝つきやすくなります。

復職に向けた準備をする

復職する場合は、復職に向けた準備をしましょう。復職準備の一例として、以下のような方法があります。

  • カフェや図書館などに通う習慣をつける:最初は30分ほどから始め、慣れてきたら少しずつ時間を延ばす。
  • 再発防止策について考える:再休職を防ぐために休職の原因を振り返る。つらいときは無理をせず、休みながら進める。

外に出てどこかに通ったり、運動したりする場合は、徐々に負荷を増やしていきましょう。例えば、図書館やカフェに通う場合は、最初は「30分だけ滞在する」ところから始め、慣れてきたら1時間、2時間と滞在時間を延ばしていきます。

また、再休職をしないために、再発防止策も考えておきましょう。休職に至った原因を振り返り、本やインターネットなどの情報を参考にします。ただ、休職に至った原因を振り返るのは負荷が高いため、辛くなったらこまめに休憩をとりながら行ってください。

後述するリワークで、専門家の力を借りながら再発予防のトレーニングをすることも有効です。

休職中に利用できる支援施設

休職中は「自分でなんとかしなければ」と感じている方も多いのではないでしょうか。しかし実は、休職・復職をサポートする施設は全国に数多くあります

専門家に相談できる環境を活用することで、一人で抱え込まずに無理なく職場復帰を目指すことができます。ここでは、休職中におすすめの支援施設を3つ紹介します。

 

支援施設名 何ができるか どんなときに利用するといいか 注意点
精神保健福祉センター 精神疾患、ひきこもり等の専門的な相談・支援 ・精神科受診を迷っている方
・本人が拒否している場合の家族が、専門的な相談をしたいとき
事前に電話等での予約が必要

障害者就業・生活支援センター

就職前から就職後まで、就労・生活の両面を支援

障害・疾患を抱えながら就職・定着に不安があるとき 希望者が多い場合、利用までに数ヶ月待つことがある
リワーク施設

・決まった時間に通所することで、生活リズムと通勤体力を回復させる
・再発を防ぐためのプログラムを受講できる

休職中の方が、薬や休養によって症状が落ち着いてきたタイミング 原則として、元の職場に復職する予定がある方が対象

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、各都道府県・政令指定都市に設置されている相談窓口です。医師や精神保健福祉士、臨床心理士など、こころの専門家に相談できます。

相談内容は幅広く受け付けています

  • 「なかなか職場に行けない」
  • 「不安定な状態が続いている」
  • 「とにかく話を聞いてほしい」


「こんな相談でいいのだろうか」と迷っている方も、まずは気軽に連絡してみてください

ただし、センターによって対応できる相談の範囲が異なります。電話する前に、お住まいの地域のセンターのホームページで活動内容を確認しておくと安心です。

(参考:全国精神保健福祉センター長会 全国精神保健福祉センター一覧

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就職活動から職場定着まで幅広く相談できる窓口です。就労だけでなく、金銭管理や住居など生活面の相談にも対応しています。

地域によっては、障害者就業・生活支援センターと就労支援事業所が連携しながら、本人の状況に合った支援を行うこともあります。

初回の面談では、支援員が以下の内容をヒアリングします。

  • 障害の特徴や体調
  • 現在の就労状況・職務経歴
  • 生活状況


その後、就労支援・生活支援の具体的な内容について話し合います。初回は登録なしで参加できますが、継続して利用する場合は登録が必要です。

リワーク施設

リワークとは、休職中の方を対象に復職の支援やメンタル不調の再発による再休職を防ぐためのプログラムを実施する支援制度です。

休職すると、どうしても体力や集中力が低下するため、メンタル不調で仕事を長期離脱している方におすすめです。

リワークでは、再発防止に向けた講座やグループワークなどが実施され、施設によっては個別相談も提供されています。

  • 対人コミュニケーション
  • ストレス対処法
  • 自己理解


リワークは4種類あり、それぞれ特徴が異なります。

リワークの種類 メリット デメリット
医療リワーク 専門医や臨床心理士などの専門家がスタッフにいるため安心感がある。 通院先の医療機関に併設されているとは限らない。
職リハ(職業リハビリテーション)リワーク 本人・雇用主・主治医の三者が連携するため、職場との調整がスムーズ。 公務員は利用できない。
職場リワーク 企業内で行われるため社内連携が取りやすく、復職時のギャップを感じにくい。 導入している企業が少ない。
民間リワーク 失業中でも復職意欲があれば利用できる。 都市部に集中しており、地方からは通いにくい場合が多い。

リワークの利用には主治医の許可が必要になりますので、気になる方は診察時に確認してみましょう。

ご自身がどのリワークがいいのか悩む場合は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

復職面談で産業医がチェックする5つの判断基準

復職する場合、職場に戻る前に人事や産業医との復職面談が実施されます。復職面談では、産業医が、従業員の主治医が出した診断書をもとに、復職できるかどうかを判断します。

特に、産業医は以下の5つのポイントを見ています。

就業意欲:前向きに働く気持ちがあるかを確認。無理のない復職意欲を自分の言葉で伝えることが大切。

生活リズム:起床・就寝・食事・日中の活動が整っているかを確認。生活記録表があると客観的に示せる。

通勤の安定性:決まった時間に外出し、安定して通勤できるかを確認。図書館や会社近くまで行く練習も有効。

集中力・体力:読書やPC作業、散歩などを通じて集中力と体力が戻っているかを確認。

再発防止:体調を崩した原因と、次に不調になったときの対処法を整理しておくことが大切。

生活記録表や再発防止策をまとめたメモなど、復職に向けて取り組んできたことを面談時に提出すると、産業医も判断しやすくなります。

また、復職時に配慮してほしいことがあれば、この面談で伝えておきましょう。配慮事項については、事前に主治医から復職診断書に盛り込んでおいてもらえると、会社側の受け入れもスムーズに運ぶ可能性が高まります。

  • 復職直後は時短勤務にしてもらう
  • 部署異動・配置転換をしてもらう
  • 復職後の面談の頻度を調整してもらう


復職面談では、本人の意思だけでなく、主治医の診断や会社側の受け入れ体制も踏まえて総合的に判断されます。必要な配慮がある場合は、遠慮せずに相談しておきましょう。

復職を近く控えている方へ

「初日、どんな顔をして職場に行けばいいんだろう」
「久しぶりに会う同僚に、なんて声をかければいいか」
「腫れ物扱いされたらどうしよう」

復職日が決まり「あとは当日を迎えるだけ」という段階になっても、復職直後は何をすればいいのか不安になると思います。

ここでは、復職初日の挨拶のポイントや、無理なく働き続けるための注意点をまとめています。「初日のことを考えると憂鬱」という方は、参考にしてみてください。

復職後の挨拶|対面・メールのポイント

職場復帰面談で、復職日が決まっても「挨拶をどうすればいいかわからない」「気まずい雰囲気になりそう」と不安に感じる方もいるでしょう。

ここでは、復職の挨拶のポイントを対面・メールに分けて解説します。

対面での挨拶のポイント

対面での挨拶は、復帰初日の朝礼や引き継ぎの時間を活用するのがおすすめです。全員の前で話す機会があれば、一度にまとめて感謝の気持ちを伝えられます。

長々と話す必要はなく、感謝の言葉と復帰への意気込みを30秒〜1分程度で簡潔に伝えるのがポイントです。

また、朝礼で全体に挨拶した後も、お世話になった上司や同僚に個別に声をかけると、より丁寧な印象を与えられます。職場の人間関係を無理に戻そうとせず、まずはできる範囲でコミュニケーションを取ることを意識しましょう

【対面での挨拶】

皆様ご無沙汰しております。〇〇です。本日より復職いたしました。
長期間にわたりご迷惑とご心配をおかけし、申し訳ございませんでした。皆様のおかげで体調を整えることができ、こうして職場に戻ってくることができました。

まだご迷惑をおかけする場面もあるかと思いますが、できることから一つ一つ丁寧に取り組んでまいります。改めてどうぞよろしくお願いいたします。

メールでの挨拶の書き方

メールでの挨拶は、社外の関係者や、直接会う機会が少ない部署の方に適しています。メールを送るタイミングは、復帰の数日前か、復帰初日に送るのが一般的です。

文面は簡潔にまとめ、長文になりすぎないよう注意しましょう。業務に関する詳細な説明は避け、感謝と前向きな姿勢を伝えてください。

【メールでの挨拶】

件名:復職の挨拶

本文:お世話になっております。〇〇です。

このたび、病気療養のためご迷惑をおかけしておりましたが、本日より職場復帰いたしました。

長期にわたりご心配とご負担をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。皆様の温かいご支援のおかげで、体調を回復し、こうして戻ってくることができました。心より感謝申し上げます。

しばらくはご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、できることから着実に取り組んでまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

〇〇(氏名)

再休職しないために 復職後の注意点

次に、再休職しないための復職後の注意点について解説します。

復職後は60〜70%の力で働く

復職後は、休職前の60〜70%の力で働くことを心がけましょう。働ける状態になったとはいえ、復職直後は体力が落ちています。

つまり、今のご自身の状態は「病み上がり」の状態です。復職直後に無理をすると、症状がぶり返し、再休職になる可能性もあります。

そのため、初めは60〜70%の力で働くように意識しましょう。具体的には以下の働き方を指します。

  • 仕事終わりに、少し業務を増やせる余力がある
  • 帰宅後、家事ができるくらいの力が残っている
  • ストレスや疲労を自分で把握できる
  • 休日に、軽い外出や趣味を楽しめる余裕がある
  • 翌朝、前日の疲れが残っていない


復職直後は、いきなり通常業務をすべて担当するのではなく、軽作業や負荷の少ない業務から始められないか相談するのも一つの方法です。

また、体調が安定するまでは残業を避けるなど、無理のない働き方を検討しましょう

復職して業務に慣れてきたら、自分の体調を見ながら、少しずつ仕事量を増やしていきましょう。

復職後も定期的に病院に通う

復職後も、定期的な通院を続けることが大切です。仕事が再開すると体調の変化に気づきにくくなるため、主治医に自分の状態を定期的に報告し、早めに対処できるようにしておきましょう。

「平日は病院に行けない」という方は、土曜日に診察日をずらしてもらえないか、主治医に相談してみてください。

土曜日の診察が難しい場合は、通院日に有給休暇を使う方法があります。職場復帰面談であらかじめ「定期的な通院が必要」と伝えておくと、会社側の理解を得やすくなります。

上司や産業医との定期面談を続ける

メンタルの不調は再発リスクが高いため、復職後も会社の上司や産業医との定期面談を続けましょう。復職直後は1週間〜1か月に1回、その後も数か月ごとに面談や健康チェックが行われることがあります。

面談では、業務は問題なくこなせるかや治療の継続状況も確認され、必要に応じて業務内容や勤務条件の見直しも行われます。

「自分では大丈夫」と思っていても、誰かと話すことで体調の変化に気づくこともあります。自分ひとりで頑張るのではなく、周りのサポートを活用しながら、仕事を続けていきましょう

復職は自分のペースで一歩ずつ進めよう

この記事では、休職直後・復職を考え始めた時期・復職直前の3つの段階に分けて、それぞれの過ごし方や注意点を解説しました。

休職中は、心身を回復させながら、再休職しないために今後どうするかを考える大切な期間です。「早く戻らなければ」という気持ちはよく理解できますが、焦りは再発リスクを高めてしまいます。

復職までのプロセスは人によって異なります。大切なのは、周囲の評価や期間だけで判断せず、ご自身の体調に合わせて進めることです。

あなたの回復を支える関連制度や専門家のケアは数多くありますので、必要に応じて活用しながら、自分のペースで復職を目指しましょう。

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yotsuya
この記事の監修
四谷 健太郎
株式会社リヴァ リヴァトレ事業部 生活支援員 臨床心理士/公認心理師

1985年東京都生まれ。
世田谷区の教育相談員→民間企業の治験コーディネーターを経て、2021年に株式会社リヴァに入社。

森田療法を基にした相談支援を行っている。趣味はコーヒーのハンドドリップ。

 

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