【質問まとめ】宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」への疑問にQ&Aで詳細にお答えします

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リワーク事業を中心に展開してきた弊社リヴァが2020年秋から開始した、うつの方向けの転地療養サービス「ムラカラ」(サービスの概要や立ち上げの理由についてこちらから、発起人である森田の想いはこちらから)。

リリース後には予想を超える反響をいただきました。その中で「より詳細な情報を知りたい」という声もお寄せいただいたため、今回は現地(奈良県下北山村)での過ごし方や復職・再就職までの流れ、利用料金などについて、Q&A形式でより具体的にご説明します。

利用料金や生活費はどのくらいかかりますか?

「サービス利用料金の自己負担分」と「生活費」の合計で、月額35,00065,000円程度と試算(2021年6月現在)しています。

ムラカラは福祉制度で運用されるため、1か月あたりの利用料自己負担分は2021年6月時点で実質約25,000円以下になります。また前年度の収入状況が、国が定める「市町村民税非課税世帯」に該当する場合、利用料自己負担分は0円になります。生活費は月々約35,000円程度(20216月現在での試算)です。これにはシェアハウスの住居費·光熱費·食費などが含まれます。

こうした金額を見て、少し割高に思われる方もいるかもしれません。しかし、都心でリワークに通所するのにも、サービスの利用料金のほかに交通費や昼食費がかかります。それらの雑費が1日あたり1,500円程度と考えれば、20日間の通所で30,000円かかることになります。通所していない日の生活費や衝動買いが減るのも含め、むしろ村での生活の方がローコストになる可能性は十分にあるのではないでしょうか。

『ムラカラ』を利用するとしたら、
主治医の変更は必要でしょうか?

短期間の利用を希望されており、服薬内容の変更がなく安定されている方ですと、主治医と相談の上で村の診療所からお薬を処方してもらうケースもあり、この場合については主治医の変更は必要ございません。また、『ムラカラ』のセンター所在地である奈良県下北山村から通えるようでしたら変更の必要は有りませんが、遠方からお越しいただき、定期的な通院が難しくなる利用者様には変更が必要となります。その場合は弊社よりメンタルクリニックを紹介させていただきますので、現在の主治医とも相談の上で紹介状を作成いただければと思います。また、通院の際には弊社スタッフにより送迎を行なわせていただきます。詳しくはオンライン説明会でご説明させていただきます。

利用期間はどのくらいになるのでしょうか?
また最短、最長でどのくらいの利用が可能ですか?

利用期間は6ヶ月を標準期間として、最短で3ヶ月間から、1年間を目安にご利用いただけます。最短3ヶ月としている理由は、それより短い期間だと一時的な休養としては良いのですが、様々な体験をしながら、これからの自分の人生を考えて踏み出すには足りないと考えております。また、居場所とせずに、次の人生に向けて踏み出す意味でも1年以内を目安としています。その方の状態や目指す未来によって必要な期間は異なると思いますので、気軽にお問い合わせ下さい。

利用するための条件はありますか?

下記の条件が必要です。

  • 精神疾患を患っており治療を受けている方
  • 復帰意欲のある方
  • 緊急連絡先をご用意できる方
  • 身体介助が必要ではない方
  • 最低3ヶ月利用できる方
  • 主治医からの利用許可を得られる方

※遠方にお住まいの場合、『ムラカラ』を利用する間は転院をお願いする可能性があります

また、『ムラカラ』は障害福祉の制度で運用しているため、制度上の条件があります。お住まいの市区町村によって判断が異なるため、まずはスタッフが状況を伺って、お住まいの市区町村に確認いたします。
※利用にあたって障害者手帳は必須ではありません。

生活リズムが乱れているのですが、
それでも大丈夫ですか?

生活リズムが乱れている方こそ、ムラカラをお勧めします!体験宿泊の数泊だけでも、生活リズムが改善された方がほとんどです。要因としては、朝食をとることで体内リズムがリセットされることや、日中に身体を動かすことで夜になると眠くなりますし、睡眠の質にも良い影響を与えます。

また、そうした生活リズムを整えることは自分一人ですとなかなか難しいところがありますが、プログラムの流れに乗ることで、無理なく日中動くことになるので、自然とリズムが整いやすくなります。

調子が悪かったり、
朝起きられなかった場合はどうなりますか?

起きられた時間やご体調に合わせて、その日の活動内容をご相談できたらと思います。活動の無理強いは行いませんので、ご安心ください。

運動が苦手なので、
野外プログラムについていけるか不安です

「運動」というワードに苦手意識を持たれる方は多くいらっしゃいますが、日中活動では、利用者さんそれぞれの体力に合わせて活動内容を調整します。活動量を増やすことは睡眠の質を高める効果やメンタル面の安定にもつながりますので、無理のない範囲から、そして「気持ちよさ」と「楽しさ」を重視しながら取り組んで頂けるようにサポートいたします。

「運動しなければならない」というより、自然などの景色を見ながら、他の利用者と話しながら過ごすうちに自然と身体も動いていた、という感覚があると思います。

シェアハウスでの生活が
どのような感じかイメージがつかず不安です

そうですよね。体験宿泊にお越しいただき、実際に体感して頂くのが一番かと思いますが、体験前にも複数回オンラインで面談しますので、知りたいことなど、ざっくばらんにご質問頂けたら嬉しいです。

各利用者さんに6畳の鍵付きの居室がありますので、プライベート空間を確保することが出来ます。日中活動終了後の16時以降は自由時間になるのと、日曜·月曜·祝日は日中活動がお休みなので、自由に過ごしていただけます。

他人との共同生活は、
ストレスがあるんじゃないですか?

ストレスは、少なからずあります。ストレスを感じた際には、お気軽にスタッフにご相談して頂きたいと思っています。

また、多くはコミュニケーションにまつわるストレスのため、復帰に向けてのトレーニングと位置付けて、スタッフと相談しつつ、自分で自分の気持ちや状態をコントロールしながら、対処方法を練習して頂けたらと思います。コミュニケーションやストレスへの対処方法、自分自身のケアの方法については、日中活動のプログラムの中や個人面談で検討していきます。

休日はどう過ごすのでしょうか?

日曜日と月曜日、祝日はお休みとなり、自由に過ごしていただけます。村内をはじめ世界遺産が多数あり、自然豊かな奥大和の魅力を堪能できます。特別な場所に出かけずに清涼な川の流れを聴きながら散策したり、読書をするというような『飾らない贅沢』を味わっていただくのもお勧め。なお、宿泊を伴うお出かけの際には事前にスタッフにお伝え下さい。

下北山村 観光案内
http://www.vill.shimokitayama.nara.jp/kankou/
http://www.vill.shimokitayama.nara.jp/teiju/teiju2.html

うつの方向け宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」への疑問にQ&Aでお答えします!007

コンビニエンスストアや銀行はありますか?

徒歩圏内にあります。

コンビニエンスストアなど24時間営業のコンビニエンスストアはありませんが徒歩圏内に2店ほど商店があります。

  • ショップしもきた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シェアハウスから徒歩4
  • ヤマザキショップ下北山村カーブの店・・・シェアハウスから徒歩7
  • 上池原郵便局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シェアハウスから徒歩1分
  • 南都銀行北山支店・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シェアハウスから徒歩7
※最新の情報は各店舗のHPよりご確認ください

持ち物は何が必要ですか?

体験宿泊の事前説明面談で、書面を見ながら詳細をお伝えいたしますが、外での活動も多いので、動きやすい服装や靴と帽子は特に必要になります。正式に入居する場合の持ち物は、体験宿泊でご自身が必要と感じたものを持ち込み頂けるといいかと思います。

必要最低限のものだけでなく、過去にはギターなど趣味のものを持ち込まれた方もいらっしゃいました。余暇活動の充実も復帰に向けて大切な要素のため、自分やこの機会にやってみたいものを用意してみるのもありかもしれません。

体験前に主治医の許可は必須ですか?

はい、体験とはいえ宿泊を伴いますので、今のご体調での参加で問題ないか、医療的な観点からご判断も頂けたらと思っております。利用においても、主治医の先生の治療方針とムラカラでのご支援が食い違わないように、すり合わせさせて頂いております。

利用者の男女比や年齢層を教えてください。

20216月時点で、体験にお越しいただいた方も含めた中では、のべ10名のうち4:6で若干女性の方が多かったです。年齢層は、20代から60代まで幅広くいらっしゃいました。

大学生でも利用可能ですか?

大学生で利用された方もいらっしゃいます。お住まいの自治体の判断によるところもありますので、まずはオンライン面談でご状況を伺いながらご相談させてください。

「ムラカラ」というサービス名の由来は?

ムラカラには私たちの“2つの思い”が込められています。

1つ目は「村から再出発する」。精神疾患を理由に休職・離職した方に「下北山村から再出発していただきたい」という思い。

2つ目は「のチカラを借りる」。村の人や自然の力を借りて、新たな人生の一歩を踏み出してほしいという思いです。ムラカラ_ロゴ

ロゴはなにを表している?

ロゴのモチーフになっている「切り株から生えた若芽」はひこばえといい、古くから春の象徴として親しまれてきたものです。切り株の年輪はその方が積み重ねた生き方を、若芽は新しい人生の始まりを表現しています。

村で取り組む「プログラム」の詳細が知りたいのですが?

ムラカラでは、弊社が運営するリワーク·就労移行支援施設「リヴァトレ」のメソッドを活用したプログラムを提供します。そのプログラムを通じて、利用者の皆さんには下記の4つのことに取り組んでいただきます。

①健康を維持できる生活習慣の獲得
②ストレス対処力の向上
③職場で働く力の回復・向上
④働き方・生き方の再構築

また、ムラカラでは「少人数制」「共同生活」「村民の方々との交流ができる」という特長を活かして、スタッフとじっくりと話し合いながら自分に合ったストレス対処を身に付けたり、利用者さん同士はもちろん、地元の方や地域おこし協力隊員、移住者の方々などとのコミュニケーションを通じて「より多様なライフキャリアを検討し、自分らしい生き方へと一歩踏み出すこと」を目指していきます。

①健康を維持できる生活習慣の獲得

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精神疾患の療養中は家で過ごすことが多く、生活習慣が乱れがち。まずは「健康の3要素」である食事・運動・睡眠を見直し、日中に無理なく活動するための体力を養うのが重要です。

独力であれば大変ですが、ムラカラでは共同生活の中でスタッフとこまめに相談しながら、無理なく着実にステップアップしていくことができます。実際、過去の短期宿泊プログラムに参加した方の中には「朝が苦手で気分もふさぎがち」という方もいましたが、村で過ごすうちに午前中から活動しやすくなり、表情も明るくなっていきました。

〈食事〉
朝夕の食事は、地元産の野菜を使った手料理をシェアハウスで召し上がっていただきます。昼食は当番制なので、食品に含まれる栄養素やバランスのよい食事についての知識も身に付けられて、復帰後のセルフケアにも役立ちます。

〈運動〉
ムラカラでは農作業や村のお手伝いなどで体を動かす機会もたくさん提供します。また、周辺は世界遺産に指定されるほどの自然に恵まれているので、外に出て活動をするのが毎日楽しみになりますよ。そんな風に生活しているうちに、無理なく体力を付けられるでしょう。

〈睡眠〉
睡眠の質は、しっかり朝食を摂り、日中適度に体を動かすことで向上していくといわれます。村の夜は静かで周囲に明かりも少ないので、日々の英気をしっかり養える環境です。

②ストレス対処力の向上

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うつ病は再発することが多く、厚生労働省の報告によれば、その確率は実に約60%。原因の一つは、症状が回復しても仕事や日常生活のストレスがかかると再びうつ的な思考に陥り、体調を崩すきっかけになってしまうから。復帰後に長く健康的に働き続けるためには、様々な精神的負荷への対処方法を身に付けることが重要です。

ムラカラではCBGT(集団認知行動療法)やアサーションなどの一般的なストレス対処方法について学ぶのに加えて、世界的なIT企業の研修にも取り入れられて近年特に注目が集まっている「マインドフルネス瞑想」に取り組みます。

マインドフルネス瞑想とは「怒りや不安などから距離をとった中立的な物事の捉え方」に思考をシフトすることを目的とする瞑想法。人は誰しも過去の行動に対する後悔や、思い通りにならずに怒りに囚われ、同じことを考え続けてしまうときがありますよね。メンタル疾患を抱えている方は特にその傾向が強く、マイナス思考から抜け出せずに人一倍疲れてしまったり、変化を起こすための行動がしづらくなってしまったりする場合が多いのです。「マインドフルネス瞑想」を身に付ければ、ストレス対処法の選択肢が増えるのはもちろん、目標に向かって活動しやすくなる効果も期待できます。

頭で理解するだけでなく体感しながら習得するものなので、瞑想と振り返りで合計60分間のプログラムを毎日行います。変化を実感できるまでの期間は、継続した場合およそ8週間。最終的には、復帰後に一人でも実践できるようになるのが目標です。

③職場で働く力の回復・向上

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ムラカラのプログラムでは、どこの職場でも必要とされる「コミュニケーション力」や「情報を整理する力」、それに「課題を発見する力」や「目標達成のためにPDCAを回す力」などを身に付けることを目指します。

そのため、仮想の課題を協力して解決するワークはもちろん、実際に村の方々がお悩みのことについて解決策を検討し、実施することにも取り組みたいと考えています。例えば、農業に詳しい村民の方のお知恵を借りながら「高齢化によって増加している休耕地の再生」などにチャレンジする予定です。

畑の開墾に取り組む過程では、周囲の人と協力する能力を高めることができますし、結果を出すために試行錯誤を重ねることは、次のキャリアでも活かせる貴重な経験になるはず。活動の中で「自分の向き・不向き」や「達成感を覚えた瞬間」を発見できれば、新たなキャリアのヒントにもなるでしょう。

④働き方・生き方の再構築

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利用を検討されている方の中には、従来の生活の中では「自分の人生について考え直すことが難しい」「キャリアチェンジなんて自分には関係ない話に思える」、周囲との人間関係もあり「視野を広く持ちづらい」とお悩みの方は少なくないと思います。

そこでムラカラでは、下北山村に住む“自分らしい生き方”を選択した方々との交流やキャリアプログラムを通して、「価値観の整理」や「将来像の具体化」を行います。移住やパラレルワークなどの生き方を実践している人に生の声を聞き、率直な疑問をぶつけてみたら、考え方が変化するかもしれません。

私たちは決して地方移住や大幅なキャリアチェンジばかりを推奨しているわけではありません。むしろムラカラを経て「自分には都市生活が合っている」と再認識する方もいるでしょう。重要なのは「思い込みを捨て、沢山の可能性の中から自分が納得できる選択をすること」なのです。

利用終了のタイミングは?

ムラカラで目指していただく目標は「健康状態を安定させ、自分らしいライフキャリアを選択し、一歩踏み出すこと」です。つまり、自分が選択した環境でやっていける自信がついた時が、利用終了のタイミングであるともいえるでしょう。

その状態にたどり着くために必要な期間の目安は、3か月~1年程度。短すぎても得られるものが少ないですが、あまり長くなると、本来目指していた「自分らしい人生」へ踏み出すことに対して、腰が重くなってしまうかもしれません。再出発に向けたステップを、焦ることなく、一つずつ上っていきましょう。

利用終了後のサポートは?

ムラカラは「ライフキャリアを根本的に見直したい人のためのサービス」ですので、利用を終えた方々は、多様な道を選ばれると考えられます。復職や再就職、フリーランスや独立といった働き方の変更、それに進学や新天地への移住も選択肢に入るでしょう。そのように環境が大きく変わるときは、一人で解決できない問題に出会うことも多いものです。

そこで活用していただきたいのが、利用終了後から半年間、無料で提供するオンラインフォローです。毎週土曜日に個別面談や、利用者さんも交えたブレインストーミングを行うので、スタッフも含む仲間と一緒に課題の解決策を考えることができます。また、復帰先の地域にある相談支援センターなどを活用する場合は、ご本人の承諾を得たうえで、ムラカラから情報を共有することも可能です。

さらに詳しく知りたい方はオンライン無料相談会へ

ムラカラは一時的とはいえ転居を伴うサービスですから、今回の記事を読んだうえで「さらに詳しく話を聞きたい」という方もいらっしゃることでしょう。

そんな方はぜひ、ムラカラWebサイトのお問い合わせフォームから気軽にご連絡ください。Web上での無料相談も随時実施しておりますので、サービスについての疑問やご自身の現状についての悩みをお聞かせいただければと思います。

新型コロナウイルス感染症の影響で社会全体が大きく揺れ動いていますが、ムラカラスタッフはサービス開始へ向けて、いま出来る事に全力で取り組んでいるところです。現地での体験会のお知らせなど、続報は各種SNSでも発信してまいりますので、ぜひフォローしてお待ちください!

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ご縁のあった下北山村で自分らしく生きるためのインフラをつくる

 


宿泊型転地療養サービス「ムラカラ」

自然豊かな奈良県下北山村にあるシェアハウスでの生活や、メンタルケアのプロによるサポートにより疾病と向き合い、より自分らしい人生へと踏み出すためのサービス。リワークサービスなどを手掛ける株式会社リヴァが運営。

https://liva.co.jp/service/murakara


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