
「志も欲も野心も、本当に何もなかったんです」 【イキカタログ〜自分らしい生き方対談〜 vol.5 プロレスラー・新崎人生さん】
2019年01月29日
liva magazine
2018.04.18
うつ病などを経験したことのあるエンジニアを在宅ワーカーとして積極的に雇用されている合同会社鷹睡(ようすい)。リヴァトレ利用者Mさんが就職したことをきっかけに、代表である豊福良太さん(写真左)とリヴァ代表 伊藤崇(写真右)が対談し、インターンの事例について意見を交わしました。
1978年東京都生まれ。横浜国立大学工学部卒業。(株)ベンチャー・リンク、(株)ラクスを経て独立。システム開発の現場に於いて数多くのエンジニアがうつ病を患い、業界からドロップアウトしていく状況を目の当たりに。元うつ病のITエンジニアを「在宅ワーカー」として雇用し、高品質低価格なITサービスを提供している。
伊藤:リヴァトレの利用者が御社で採用されたと聞き、とても嬉しく感じています。今日は鷹睡の設立に至った経緯について伺ったり、うつ病の方を取り巻く雇用環境についてお話ししたりできればと思います。早速ですが、うつ病経験のあるエンジニアを在宅ワーカーとして雇用することになったきっかけは?
豊福:起業する前、私は9年ほどITベンチャーに勤めていました。システム開発の仕事はたいてい納期が短く、毎晩のように徹夜を繰り返すうちにうつ病を患ってしまう同僚を数多く目にしました。休職を経て戻ってくる同僚もいましたが、中には退職してしまう同僚も…。
伊藤:私も昔はIT企業でエンジニアをしていたことがあります。トラブルや納期が迫っている時は1日2~3時間の睡眠が続くこともありましたね。
豊福:ある退職した同僚が気になり、「最近、どうしているの?」と連絡してみると「エンジニアとして働きたいけど、もう満員電車に乗ったり、あんなにきつい現場で働いたりはできない…。今は違う仕事をしているんだ」という返答。他にも同じような話を聞くたびに、残念に思いました。
IT業界では常に「エンジニア不足だ」といわれている一方で、エンジニアを過酷な労働環境によりドロップアウトさせてしまっている現実があるわけです。そこで、うつ病を経験したエンジニアが安心して復帰できる環境をつくろうと、鷹睡を設立しました。
伊藤:現在は、窓口の役目を担う豊福さんがお客様に業務改善を提案し、システム開発をエンジニアに依頼されています。前職で感じた課題を踏まえて、どのような取り組みをされているのでしょうか?
豊福:開発期間を通常の倍程度に長く見積り、その分、開発費用を低めに設定させていただいています。当初は、うつ病を経験した友人に依頼しながら始めたのですが、今ではエンジニアが4名になりました。開発期間を長く見積ると言っても、ベテランのエンジニアはとても仕事が速いので、「9か月」と見積もっていたにも関わらず「3か月」で納品したケースもあります。
伊藤:予定より早く納品される分にはお客さんも喜んでくれそうですね。弊社でも何かお願いしてみたいです。
豊福:ぜひ、お願いします。ご依頼いただいた際には、Mさんがその仕事を担当する…なんていうのも良いかもしれませんね。
伊藤:在宅エンジニアとして鷹睡さんに入社したMさんは、3か月間のインターンを経て、採用されたそうですね。Mさんにインターン実施までの流れと、感想を伺ってみました。
(Mさん談)
IT企業でエンジニアとして働いていたのですが、うつ病を発症して「家から出られなくなる症状」が不定期に出てしまうことから、毎日の通勤が難しい状態に…。この症状により転職を繰り返しました。
正社員としては長続きせず、障害者雇用枠で数社経験。その後、IT系の仕事を請け負うA型作業所に通うも、またしても家から出ることが困難に。その作業所で「このままだと困る」と言われてしまい、「家から出るための訓練」をするためにリヴァトレの通所を決めました。
リヴァトレを見学した日に、スタッフの方から鷹睡のインターンに関するチラシを紹介され、興味を覚えました。元々「在宅ワーク」に憧れていたんです。パソコンのモニターを見てキーボードを打っていることが好きで、体調が悪くても毎日パソコンの前には座っているので、その時間を仕事に充てられるといいな、と。その後もスタッフさんと相談しながら鷹睡のインターンを目指して訓練に取り組みました。
その後、鷹睡でのインターンを開始。在宅でも行える業務内容のため、リヴァトレのセンターを中心に、自宅や図書館なども活用して取り組みました。「日中に調子が悪ければ、夜にやってもいい」など、自分の体調に合わせ、調整できるのが私には合っていました。
インターン中、体調不良で通所出来なかった日には、センターに電話で「家でインターンの仕事をします」と連絡。家から出られなくても、仕事にはいつも通り取り組めたので、「家から出られない」のと「仕事が出来ない」のは別なのだと実感しました。
豊福:嬉しいですね。チラシを見てインターンを目指して頑張ってくれていたことは知らなかったので、驚きました。他の就労移行支援施設からエンジニアを採用させていただいたこともありますが、「インターン制度」を取り入れたのはリヴァさんが初めてです。インターン期間中にその方の体調や人柄を知ることが出来る良い取り組みだと思いました。
私が社員を採用する際に重視しているのは「人柄と道義心」なんです。Mさんは技術力もありますが、その前にコミュニケーションがしっかりとれることに安心感を覚えました。自由な環境を逆手にとって怠けたり、報連相ができなかったりする方とは一緒に働けませんからね。
伊藤:豊福さんに対する感想もいただきました。
(Mさん談)
豊福さんから業務をいただく時はいつも「急ぎじゃないですから」と言ってもらえます。昔働いていたときはなかなかそういう風にはいかなかったので、ありがたいですね。
豊福:お客様と仕事のスケジュールを決めるときに期間を長めに調整しているので、本当に急ぎではないんです(笑)。Mさんはしっかりと着実に仕事を進めてくださるので、安心してお願いできますね。
伊藤:これからも鷹睡さんで働きたいという人は増えていきそうですね。
豊福:エンジニアって「小さい頃からパソコンが好きでプログラミングを始めました」など“好き”を仕事にしている人がほとんど。それなのに、体調が原因で好きな仕事から離れてしまう人を見るのは本当につらいことですよね。ですから、Mさんのような方が当社に来て、イキイキと働いている様子を見られるのはとても嬉しいことです。
伊藤:リヴァとしても、通勤が苦手な方が「在宅で自分のスキルを活かせる仕事に就く」という過程に関われたことが嬉しいですね。
うつ病を患って退職した人の中には「次も以前と同じ職種で働くしかない」と選択肢を狭めてしまう方が多く見受けられます。
選択肢を狭める前に、一度立ち止まってみて「本当はどんな風に働きたいのか」「その働き方に合った仕事や職種はどんなものがあるのか」をしっかり考えてみることが大切。たくさんの選択肢を知り、改めてそこから「自分が幸せになる“手段”」として仕事を選択してみてほしいです。
リヴァではそういった機会を出来るだけ多く提供していきたいです。うつ病にならなくても生きづらさに苦しんでいる人はいると思うのですが、うつ病になったことがきっかけとなり、一歩立ち止まって生き方や働き方を考えていただけると嬉しいですね。鷹睡さんでは今後どのようなことに取り組もうとお考えですか?
豊福:今後は更にリーズナブルな価格で、顧客の課題を解決するための体制を整備していきたいと考えています。道のりは長いかもしれませんが、今のメンバーとならより良いサービス提供ができそうなので、今年は積極的にチャレンジしていきたいですね。
伊藤:リヴァとしても、インターンを通じて利用者の方や、鷹睡さんに新たなつながりをご提供できれば嬉しいです。今日はどうもありがとうございました。
この記事を書いた人
北口ひとみ
大阪出身。上京後はWEBディレクターを経て、リヴァへ入社。支援職をする傍らリヴァマガの運用管理に携わる。大阪移住を決意しリヴァを卒業。元リヴァ社員として退職後も執筆を継続。
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幸せのカタチは、十人十色、人それぞれ。
他人のモノサシで測った「素晴らしい人生」よりも、
「自分に正直な人生」を生きた方が、きっと幸せだと思う。
だから、一人でも多くの人の「自分らしい生き方」をともに探し、
「何度でもチャレンジできる仕組み」を提供していく。
それが、私たちリヴァの夢であり、仕事です。
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変化に対応するものが生き残る、というけれど
「対応する」ってなんだか息苦しい。
自ら変化を起こせば、自分らしさがもっと活きて、きっと楽しい。
そんな人がたくさんいる社会は、絶対に面白い。
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