何の希望も持てなかった休職直後。抱え込まずにマネージャー職を続けられている理由とは ー 40代男性・うつ病・適応障害体験談【メンタル不調からのリライフストーリー】

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大手サービス業に20年勤め、うち15年間マネージャーとして務めてきた五郎さん。

弱みを見せたくないと、誰にも相談できずに仕事を抱え込む中で体調を崩し、うつ病・適応障害と診断され、休職することになりました。

休職直後は「何の希望も持てない」と頭を抱えていた五郎さんですが、リワーク施設に通う中で、自分を客観視し、相談の必要性を実感していったといいます。

復職や転職を経て、今も新たな職場でマネージャー職を続けられているという五郎さんに、当時の状況と変化のきっかけを伺いました。

憧れの仕事と責任ある役職
順風満帆な日々から一転...

大手サービス企業に入社して20年。そのうち15年にわたり、店舗責任者を務めていました。 もともと憧れていた仕事で、若くして責任ある役職に就くことができ、お客様に喜んでもらえることにやりがいを感じる日々。

マネージャー職として大切にしていたのは、「俺についてこい」と引っ張るのではなく、みんなが楽しく働ける雰囲気の良い職場づくりです。自分自身が頑固で、細かく指示されるのが苦手だったからこそ、スタッフ一人ひとりがやりたいことを自由に全うできる環境を第一に考えていました。

しかし、異動に伴い単身赴任を終え、久しぶりに家族と同居を再開した頃から、少しずつ異変が生じ始めます。ちょうど子どもが反抗期に入った時期で、妻との関係もうまくいかず、家庭内で居心地の悪さを感じるようになっていきました。

もう一つの転機となったのが、直属の上司が変わったことです。 私が苦手とする「細かく指示を出すタイプ」だったうえに、休みなく働く人だったため、土日を問わず指示の連絡が届くようになり、次第に強いストレスを感じるようになっていきました。

変化は、まず身体に現れました。 食事は普通にとっていたはずなのに、気がつくと体重が10kgほど落ちていて。趣味で始めたランニングのせいだろうと考えていたのですが、今振り返れば異変が起きていたのだと思います。

さらにお風呂の中で「どうしてうまくいかないんだろう」と、無意識に独り言をつぶやくことが増え、家族からうるさいと言われる始末。

そんな違和感を抱えた状況ではあったので、月に一度の産業医の来社日に、自分から「少しお話しできますか」と声をかけました。

面談の場で何気なく「最近、職場の窓から飛び降りたくなることがあるんです」と漏らすと、先生から「明日からもう会社に来なくていいよ」と言われてしまって

その場でメンタルクリニックの予約を取ってくれたので、受診をすると「うつ病・適応障害」との診断。そのまま数ヶ月間の休職が決まりました。

自分としては「1週間くらいの休養がもらえたら」程度の軽い感覚で相談していたので、驚きましたね。 職場に迷惑をかけてしまう申し訳なさの一方で、上司に対して「お前のせいでこうなったんだぞ」という怒りを抱えながら、仕事を休むことになりました。

「仕事も家庭もうまくいかない」
絶望の中にいると気づいた休職期間

結果的に、約半年の休職となりました。はじめの1ヶ月は、処方された薬の影響もあってとにかく眠く、自宅で寝ているか、近くの公園に行って過ごす毎日。

ある平日の昼間、一人で公園のベンチに腰掛けていたとき、「仕事も休んでしまって、家族ともうまくいかない。何の希望も持てないな」とふと思い、自分が深い絶望の中にいることに気づかされました。

先が見えず、ただ時間をやり過ごすような日々を過ごして1ヶ月が経った頃。主治医から復職に向けた準備として、リワーク施設「リヴァトレ」の利用を勧められました

言われるがまま体験に行ってみると、そこにいた利用者のみなさんは話しやすい方ばかりで、「ここなら通ってみたい」と思えたのです。

はじめから意欲的だったわけではなく、「公園との往復ばかりの生活から抜け出せば、少しは気分が晴れるかな」というくらいの気持ちでした。

リヴァトレに通う中で、大きな学びとなったのが「集団認知行動療法」のプログラムです。 それまでの私は「〜すべきだ」という思考が強く、相手がその枠組みから外れると不満や怒りを溜め込みやすい性格でした。しかし、それを相手に伝えることができず、一人でストレスを抱え込んでしまっていたのです。

プログラムの中で「アサーション」という自他尊重のコミュニケーションも学び、我慢せずに相手へどう伝えるかを考えてみましたが、試行錯誤の末に「結果的に、本人には直接言わなくてもいいのかもしれない」という結論にたどり着きました。

「自分はこう思うのだけれど、〇〇さんはどう思いますか?」と、第三者に話してみる。 人に話すことで自分の考えを客観視でき、感情を溜め込まずに言語化できるようになりました。こうして人に頼ることが、今の私の対処法です

当時の私は、15年間責任者を務めてきた自負もあり、「弱みを見せたくない」「自分で完結しなければ」と思い込んで、人に相談することがまったくできませんでした。

しかし、家族でも職場でもないリヴァトレの仲間になら素直に話しやすく、「人に相談をすると気分が晴れるし、解決に近づく」ということを、実体験として学べたことが良かったです。

リヴァトレのイメージ

リヴァトレのイメージ

「ここじゃなきゃ働けない」を手放し、
新たな軸で見つめ直したキャリア

復職に向けてもう一つ悩んでいたのが、「仕事への自信」でした。同じ会社で長く働いていたからこそ、他で通用するスキルがあるのか、キャリアの選択肢があるのかが不安で。

ただ、他の利用者さんと一緒にビジネスプログラムに取り組む中で、「自分も頑張ればなんとかなるレベルなんだ」「意見をまとめてリーダーシップを発揮することもできるんだ」と、失っていた仕事への自信を少しずつ取り戻すことができました

半年が過ぎ、一通りのプログラムを受け終えた私は、「そろそろ復職できるかもしれない」と思い、復職に向けて準備を始めました。

もともと会社には、勤務地の変更と店舗責任者から外してもらうことを希望していました。しかし、現場の人手不足もあり、復帰後すぐに責任者として戻ることになってしまったのです。

身体を慣らしながらゆっくりスタートしたいと考えていたものの、周囲からは「もっとしっかりやってよ」というプレッシャーを感じる日々。

また、リヴァトレで制限時間内に成果物を作るようなビジネストレーニングを重ねてはいたものの、実際の現場で「8時間集中して働く」疲労感は想像以上で、復職後のギャップの大きさに圧倒されました。

職場に漂う腫れ物に触れるような空気や、かつての部下たちがエリアマネージャーへ昇進していく姿を目にする中で、次第に居づらさを感じるように。

そうして復職して半年ほど経った頃、主治医に相談した上で転職活動を始めました。リヴァトレに通ったことで「この会社じゃなきゃ働けない」という思い込みが消えていたからこそ、新たなキャリアの選択肢を考えられたのだと思います。

転職にあたり「自分はどういう目的で働きたいのか」を突き詰めて考えたとき、浮かび上がってきたキーワードが「社会貢献」でした。 成長していく子どもの姿を見る中で、「彼らがこれから生きていく社会が、もっと良いものになってほしい」という想いが強くなっていたのです。

「社会貢献」を軸に、マネージャーとしてずっと大切にしてきた「みんなが楽しく働ける環境づくり」、そして「全国転勤がないこと」を条件に設定。業界を問わず新しい職場を探し、無事に転職することができました。

未経験の業界でもマネージャー職へ
抱え込まずに相談し、自分のいい塩梅で

ご縁があり、未経験の業界へ転職して1年が経ちました。

現在は課長職を経て部長職となり、会社の規模感も以前とは異なりますが、経営陣とコンセンサスを取りながら仕事を進められる環境です。

人前に立って話す機会も増え、「実は人前に立つのが苦手なんだよな」と戸惑いながらも、日々業務に向き合っています。

ここまで働き続けられた一番の理由は、「相談すること」を続けられているからかなと。

今でも仕事の中で「〜すべきだ」という怒りや不満が湧いてくることはあります。そういう時は、ノートに自分の気持ちを書き出して客観視したり、同じ職位の人や年齢が近い同僚に「こう思うんだけど、どうかな」と相談したりすることで、うまくやり過ごせるようになりました。

休職前にうまくいっていなかった家族関係についても、適度な距離感を保つ「別居」という形を選びました。

定期的に会ってコミュニケーションを取るスタイルにしたことで、お互いにストレスなく過ごせる「いい塩梅」を見つけることができているかなと思います。

みんなが楽しく働ける環境づくりを
焦らず、つくっていきたい

これまでの歩みを振り返ると、休職期間は人生における「一度立ち止まるきっかけ」だったのだと感じています。

休職をせずに働き続ける人生もあったかもしれませんが、一度立ち止まったからこそ選択肢が広がり、前に進むことができました。どちらの人生が良かったかは分かりません。

けれど、「今やっている仕事がすべてではない」と一歩引いて考えられるようになったことは、私にとって大きな糧となりました。あのまま走り続けていたら、「今の職場でなんとかしなきゃ」と思い詰め、逃げ場を失ってさらに苦しくなっていたはずです。

結果的に休職へ至った前の職場ではありますが、そこでみんなと楽しく働き、良いチームワークを作り上げた経験があったからこそ、私はマネージャーという仕事が好きになり、今でもこうして続けることができています。

前の職場を去る際、アルバイトを卒業する大学生の男の子が、「この現場はすごく楽しかったです。もし大学に入り直すことがあれば、またここで働きたいです」と言ってくれました。その言葉が今でも本当に嬉しく、胸に残っています。

今の職場で会議に出て部下の前で話しながら、「全然響いてないな、自分は何を話しているんだろう」と頭を抱える日も正直あります。

それでも、あのアルバイトの男の子が言ってくれたような「みんなが楽しく働ける環境」を、焦らずまた作っていけたらと思っています

今、不調と向き合っている皆さんへ

不調と向き合っている皆さんに一番伝えたいのは、メンタル不調は決して「特別なこと」ではないということです。私自身、もともとは楽天的な性格で「悩みは多い方だけど、自分は大丈夫」と思っていました。しかし、限界を超えれば誰にでも起こり得るものなのだと、今は実感しています。

休職している渦中は、一日一日がとても長く感じられるかもしれません。ですが、長い人生の中で見れば、一度立ち止まって自分自身とじっくり向き合うための「大切な時間」になるはずです。

リヴァトレへの問い合わせに迷われている方へ、五郎さんからのメッセージ

一人で抱え込むより、一緒に取り組む仲間がいるということは本当に心強いものです。 私自身、リヴァトレで復職のタイミングが近かった2人とは、復職後もお互いに相談し合える関係になりました。

特に、職場復帰後に寝つきが悪くなった時期、その仲間に相談した際にもらったアドバイスは、今でも心に残っています。

「五郎さんは相手をおもんぱかって庇うから、それで体力を使いすぎて疲れちゃうんじゃないですか?」

自分では気づけていなかった指摘にハッとさせられ、「相手に気を遣いすぎてエネルギーを消費しないようにしよう」と自分を客観視するきっかけになりました。その言葉に心がすっと軽くなり、その日の夜は安心してぐっすり眠ることができたのです。

日常の中で、近い境遇で本当の悩みを分かち合える人に出会うことは簡単ではないと思います。どうか一人で抱え込まず、一歩を踏み出してみてください

【復職準備をしたい方へ】
休職・離職を、自分を見つめ直すきっかけに

メンタル不調で休職・離職している方向けのサービスの1つ「リワーク」を耳にしたことはあるでしょうか。

対人コミュニケーションやストレス対処法など様々なプログラムを通して、復帰に向けた準備ができるサービスです。

株式会社リヴァが運営するリワーク(就労移行支援)サービス『リヴァトレ』のスローガンは、「戻ろう、ではなく、進もう。」です。

ただ「戻る」のではなく、「働き方・生き方を見つめ直し、納得感をもって一歩踏み出していただく支援」を大切にしています。

「興味はあるがどんな所かイメージできない」という方は、ぜひデジタルパンフレットをご覧ください。

※パンフレットのお申込みでお電話を差し上げることはありません。

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株式会社リヴァが運営する公式LINE『メンタル休職ラボ』では、“メンタル不調×仕事復帰”に役立つ情報を配信中です。

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菅野智佐
この記事を書いた人
菅野智佐

株式会社リヴァ ブランディング部

1996年福島県生まれ。山形大学を卒業後、18卒として(株)リヴァへ入社。ラシクラ事業部・新卒採用の責任者を兼任しながら、新規事業「あそびの大学」の立ち上げに至る。自分らしいと感じる瞬間は「物事の背景を探求している時」。趣味は、DIYと金継ぎ。

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