1on1の基本と実践~メンバーのパフォーマンスを高めるマネジメントとは?|L-BASEイベントレポート

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多くの従業員がやりがいを持って働き、高いパフォーマンスを発揮できるよう『1on1』を導入する企業は増えています。

しかし、適切な1on1の方法が分からず、手探りで実践している人事担当や管理職の方は少なくありません。

そこで株式会社リヴァは、1on1に関する著書を手がける当社社員、『島田友和』登壇の元、『1on1の基本と実践~メンバーのパフォーマンスを高めるマネジメント~』をテーマに、2日間のイベントを実施しました。

2024年7月26日には講義を中心とした『基本編』、8月23日には実際に1on1にチャレンジをする『実践編』を開催。

本記事では、参加者の様子やイベントを経たからこそ生まれた気づきについてお伝えします。

島田友和

株式会社リヴァ『リヴァトレ』支援員

公認心理師、社会保険労務士(有資格)、社会福祉士などを保有。1on1や心理的安全性、アサーティブコミュニケーション、ストレスマネジメントの研修を行う「ワ☆ノベーション」代表。グロービス1on1トレーニングクラブ代表。

著書に「プロカウンセラーが教える1on1コミュニケーション入門(清談社、共著)」「図解入門ビジネスマネジメントに役立つ1on1の基本と実践がよくわかる本(秀和システム、共著)」などがある。

良い1on1は、相手との信頼関係や協力によって生まれる

2024年7月25日に、第1部『基本編』を実施しました。

冒頭のアイスブレイクでは、『安心感のある雰囲気づくり』をテーマに最近あった嬉しかったことについて互いにシェア。

笑顔で話す、うなずきながら丁寧に聞くなど思い思いの工夫をしながら、話し手から聞き手に対し『良いと思った聞き方』についてフィードバックをする時間も設けられ、徐々に参加者同士が打ち解けあう様子が見て取れました。

いざ講義に..と思いきや、次はストレッチがおこなわれました。

1on1に取り組む上では心だけでなく、身体の緊張をほぐすことも大事なのだとか。

心と身体がほぐれたところで、ついに講義がスタート。

教科書として、島田が手がけた『図解入門ビジネスマネジメントに役立つ1on1の基本と実践がよくわかる本』が配布されました。

書籍の内容にとどまらない講義が展開され、皆さん持参したノートやパソコンに熱心にメモを取られていました。

講義の後には、知識を実践に生かすためのペアワークがおこなわれました。

相手に対して、どのような言葉づかい、話し方で質問をするか。話を聞くときの表情や相槌の打ち方はどんな工夫ができるか。講義で学んだ一つひとつの動作を丁寧に試していました。

講師の島田もペアワークに参加。顔をよく見て相槌を打つ、ゆっくりとしたテンポで質問をするなど、実践のお手本を共有していました。

最後は、各参加者が講座で得た気づきをシェア。

特に印象的だったのは、「部下と一緒に1on1を作り上げていきたいと思えた」という参加者の言葉です。

講師の島田は、「1on1は上司が一方的に進めるものじゃなくて、部下と協力して進めていくものです。そのためには、『部下が上司に相談したい』って思えるような関係づくりが大事なんです」と話していました。

「そのためには、1on1だけじゃなく、日頃のコミュニケーションでも感謝の気持ちを伝えるなど、思いやりを持って接することが必要です。

メンバーが「相談したい」と思えるようになると、彼らはまだ言葉にできていない違和感についても話してくれるようになります。

そうした感覚に上司がしっかり耳を傾け、丁寧に質問をしていくことで、部下の『心の解像度』が上がり、自己理解が深まっていきます。その結果、仕事でもパフォーマンスが発揮しやすくなるというわけです。」

全員が感想をシェアした後、講師の島田は1ヶ月後の『実践編』に向けて「本日学んだことを会社で試してほしい」と、参加者に課題を渡しました。

知識を得るだけではなく、今日学んだことを実践し、振り返ることが重要です。その過程で生まれた新たな気づきや疑問点をぜひ次回の『実践編』でシェアしましょう。そうすることで、私の話を聞く以上の学びを得ることができ、1on1のスキルアップにつながるはずです。」

「1on1は協力して進めるもの」という島田の考え方が、講座のコンセプトにも反映されていると感じられました。

『部下の立場』になって気づいた、理想の1on1のあり方

『基本編』から1ヶ月後。2024年8月23日に、第2部『実践編』を実施しました。

講座開始前から、会場は参加者同士の会話でにぎやかに。

どうやら『基本編』実施後に、参加者同士で読書会や、学んだことを話し合う場を設け、親交を深めていたそうです。

『実践編』では、あるテーマが与えられ、参加者同士で1on1をしあうペアワークを行いました。

テーマが発表されると、どんなふうに話せるといいか、多くの参加者は首をかしげたり、腕を組んだりして、考えている様子。

その様子を見て島田は、「今、テーマについて自分なりにイメージを膨らませていますよね。なかには、言語化が難しいものもあるのではないでしょうか。1on1では、まだ言葉にならないイメージについて、聞き手と話し手が一緒に考え、自分が納得できる言葉を見つける過程が大事です」と、説明しました。

1on1が始まると早速、聞き手の方々は今まで学んできた聞き方や質問のしかたを活かし、相手の話に丁寧に耳を傾けていました。

だからこそ、話し手も、話しづらいような表情は見せておらず、質問に対し言葉を紡ぎ出すことを楽しんでいた印象。

また、回答が難しい質問に対しても、自分が納得できる言葉を探すため、考える時間をめいっぱい使う様子が見られました。

ペアワーク終了後、参加者に感想を聞いてみると、話し手からは「頭で考えているだけでは思いつかない自分の価値観が見つかり、新鮮な気づきを得られた」「話に共感してもらえるだけで安心することが分かった」と、話したからこそ、多くの発見があった様子が伺えました。

一方で一部の聞き手の方は「たくさん話を引き出せたからこそ、価値観を表す一言を決めるのに苦労した」と、達成感と難しさを同時に感じていたようです。

最後は、講座全体を通じて得た学びや感想を各参加者がシェア。

「約2時間の講座なのにあっという間に終わった、と錯角するほど集中して取り組めた」という感想に対し、他の参加者も頷き共感しており、1on1の実践に熱中できたことが伝わりました。

また、「話し手として1on1に参加できたことで、聞き手になったとき気をつけたい点が明確になった」と参加者同士でペアワークをおこなった本講座ならではの感想も印象的でした。

話し手を担った際に、考える間もなく追加で質問され、自分が納得感を得られる言葉を紡ぎ出しづらい瞬間があったそうです。だからこそ、聞き手となった際は「沈黙を怖がらず、相手が話し始めるまで待ちたい」と思えたとのこと。

講師の島田も「内省をしている時の沈黙は話し手にとって大事な時間。聞き手は、話し手の状況を想像し、質問について声には出さず一緒に考えましょう」と語りました。

さいごに

本講座を通じて、1on1の基本的な考え方や実践方法を学び、特にメンバーとの信頼関係を深めることの重要性を改めて実感していただけたのではないでしょうか。

今後も、知識の習得だけでなく、実践を重ね、振り返りを行うことで、より深い気づきや実用的な学びを得ることができるような講座を企画してまいります。

詳細は都度、L-BASEのWebサイトで告知しますので、人事や管理職のみなさまは、ぜひご覧ください。

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この記事を書いた人
涌井 陽 株式会社リヴァ

株式会社リヴァ 2022年度入社
1998年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、新卒でリヴァへ入社。LIVA MAGAのライターを担いながら、採用や経理業務に従事。好きなことは旅行やコーヒー、カメラ。

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