うつで仕事を離れた方の復職・再就職支援サービス事業「リヴァトレ」の仙台エリア2センター(所在地:宮城県仙台市青葉区)では、2022年5月、開所(2019年4月)以来の復帰者が100名を突破しました。こうした復帰者同士のコミュニティの力を活用して、安定した就労の継続につなげていただけるよう、2022年4月、復帰者向けの職場定着支援と就労定着支援事業を統合してリニューアルし、新たに「リヴァトレNEXT」としてスタートしました。
背景
うつなどの精神疾患を抱える方の復帰後の課題として、平均勤続年数が短いこと、また疾病の再発率は高く、回復した後も職場のストレス下では再発しやすいことが挙げられます。そうした背景もあり、当事者の中にも安定した就労に課題を感じる方は少なくありません。
厚生労働省の調査によると、定着支援を実施することで、職場定着率が高くなることが分かっています※。特にコロナ禍以降、VUCAの時代と呼ばれるように社会・職場環境の変化も大きいことから、復帰後に新たな課題が生じる可能性も高く、定着支援の重要性は増していると考えられます。また東北ではリワーク施設が少ない現状があるため、リヴァトレ仙台ではこれまで遠方・隣県の方にもオンラインで復職・再就職支援を提供してきましたが、復帰後のサポートもオンラインで提供してほしいという声がありました。
こういったニーズに対して、定着支援の質を高めるとともに、ユーザーにとってわかりやすく利用しやすいサービスを目指すため、今回のリニューアルを実施し、サービスの拡充につなげています。
※参考:『障害者雇用の現状等』平成29年9月20日厚生労働省労働局
「リヴァトレNEXT」へのリニューアルのポイント
1グループワークをオンラインでも提供開始
疾病を職場に開示せずに就労している復帰者も多いため、同じ疾病を抱える仲間と課題をシェアし解決策を話し合える場は貴重で、大きなサポートになります。遠方から参加しやすいよう、オンラインに対応しました。
2「心理的柔軟性を高めるワーク」を導入
職場・日常での困りごとに現実的な対応ができる心のしなやかさを育て、自身が思い描く未来へ向かう行動をサポートをするため、新世代の認知行動療法といわれる“ACT”の理論を応用したワークをスタートしました。
3復帰者向けの2つのサービスを統合
復帰後のサービスを整理し、支援内容を統一しました。さらにネーミングを「リヴァトレNEXT」とすることでわかりやすくしました。
定着支援の主な内容
- 個別面談
- グループプログラム(月1回・基本的に第2金曜日夜7時~)
- 職場連携
- 土曜日イベント(年度内に、5月現利用者・OBOG交流会、9月森林浴イベントを予定)
利用された方の声
- リヴァの取り組みをしていると前向きな気持ちになりやすいので、離れずに続けていきたいです。
- グループワークで他の利用者さんと話す中で、働く『あるある』を共有できた。メンタル不調からの社会復帰、という同じ立場の人と話す機会は他になかなかないので貴重な機会です。
今後の展望-リヴァトレ東北エリア長コメント
リヴァトレ仙台では、復帰者も含めたコミュニティを大事にしていきたいと考えています。仙台・宮城・東北をはじめ、全国にうつを経験後に自分らしく生きる復帰者の仲間がいることで、何度でもやり直せる前向きな社会が広がっていき、リヴァのビジョンである「自分らしく生きるためのインフラをつくる」ことができると信じています。
本件に関するお問い合わせ
リヴァトレ仙台花京院(担当:鈴木・及川)
仙台市青葉区花京院2丁目1-14 花京院ビルディング 2階
Mail : info-sendai@liva.co.jp
TEL : 022-738-8948