起業したのは「創りたい組織があったから」
私は前職のベンチャー企業で、ビジネスの規模を拡大する役割を担っていました。しかし、無理やりともいえる組織の急拡大を図るうちに仲間たちは消耗し、スピードばかりを優先した採用によって、想いを共有できないメンバーも増えていきました。そしていつしか、仕事が楽しくなくなっていることに気付いたのです。
「こうまでして売上を上げて一体何になるのか」。そんな気持ちが生まれたことから、私は「それなら、どういう組織であればよいのか」ということを考えるようになりました。そうした経緯もあり、私は企業ビジョンと並んで、それを実現する「組織の在り方」に強いこだわりを持っています。
創りたい組織とは
起業する時に私が思い描いたのは「心からビジョンに共感しているメンバーと楽しく働ける組織」です。シンプルですが、これに尽きます。想いや志を持って“ジブンゴト”として能動的に仕事と向き合っている仲間と働くのは本当に楽しいこと。私たちにとっては、ビジョンの実現を目指すプロセス自体を楽しむことが大切なのです。
売上や利益を生み出すことは事業を継続・発展させていく上で必要なことですが、そのことが目的となると、日々の仕事は途端につまらないものになります。また、仕事を楽しむためには、「何をやるか」以上に「誰とやるか」がとても大切だと考えています。
自分のビジョン≒会社のビジョン
リヴァのビジョンは「自分らしく生きるためのインフラをつくる」です。これに共感して集まってくれたスタッフたちは「一人でも多くの人が自分らしく生きるためにどうすればいいか」を考え、行動しています。
各人のビジョンが会社のビジョンと近いものであれば、それぞれの想いに従って取り組んでいることが、自ずと「会社としても望ましい行動」となるでしょう。そのことは、ジブンゴトとして仕事をする上で欠かせない要素だと思います。
みんながジブンゴトとして仕事をしやすい組織とは
仕事をジブンゴトと捉えるために大切なことの一つは、組織の構造が「ピラミッド」ではなく、「フラット」であることだと思っています。そして、フラットな組織が機能するためには、次の5つのことが大切だと考えています。
- すべての情報がオープンになっている
- ナレッジが社内に溜まっていく仕組みがある
- 誰に何を聞けばいいか、相談出来る窓口などが可視化されている
- 何度でもチャレンジすることを応援する雰囲気がある
- プロジェクトの責任者は、上司の決裁や了承ではなく「アドバイス」をもとに進める
情報を可能な限りオープンに
従来型の組織において代表や幹部ばかりが判断を担うのは、それだけの経験と情報を備えていて、より確からしい判断ができるからです。組織内で情報格差が大きい状態では、現場のスタッフに「判断やチャレンジを自分でするように」といっても無理な話です。
しかし例えば、全スタッフが代表である自分と同じ情報を得られるようにして、会社の課題や今後を考えられる環境が整えば、各人がどう行動するべきか、自ずと見えてくるようになるでしょう。そして、何かにチャレンジしようと思った時、たとえ自身の経験が不足していても、社内に蓄積されたナレッジや情報にアクセスできれば、それを参考にできますし、誰に相談すればいいかも分かるはずです。
こんなふうにチャレンジのハードルが下がれば、仕事がジブンゴトになっていき、各人のビジョン実現にも近づくと考えます。
チャレンジした分だけ「組織が強くなる」
近年の世の中は本当に流れが速く、企業も常に変化を求められます。一から十まで代表や経営陣が会議で話し合って、決定して、それをスタッフが実行する…というスタイルではとても対応しきれません。
だから私たちは全員がともに考え、ともにチャレンジし、たとえ失敗しても、次のチャレンジを応援するという風土を創っていきたいと思っています。チャレンジをすれば必ず本人の経験値が上がりますし、結果はどうあれ、たくさんの気づきやデータが得られます。そしてそれを社内のナレッジとして蓄積し、活用していけば、組織は着実に強くなっていくはずです。
例えば、あるスタッフが5回チャレンジして成果を出せなかったとしても、その分ナレッジが社内に蓄積しているという意味ではプラスなわけですから、6回目のチャレンジもみんなで応援する組織でありたいと考えます。
手を挙げた人が裁量を持って進める
リヴァでは、どんなプロジェクトも「担当したい」と手を挙げたスタッフがいたら、代表である自分を含む周囲の人間は「アドバイスはすれど決断はしない」というスタンスで関わるようにしています。そして、いろんな人からもらった意見を参考にしつつ、最後は本人が決断するというスタイルで進めて行きます。
本人が意欲を持って取り組んでいるのに、上から「いや、それじゃだめだ」とか「もっとこうしないとダメ」なんて言われたら、「どうすれば決済がおりるのか」ということばかり意識するようになるでしょう。それでは結果がどうあれ不全感が残りますし、うまくいかなかったときには、他人に責任を転嫁したくなりますよね。
リヴァをそんな組織にしないためには、プロジェクトの中心的な役割を務めるスタッフだけでなく、周りの理解と覚悟も必要です。
リヴァを楽しんでほしい
働くことは、人生を楽しく生きるための手段になりえます。そしてリヴァのメンバーとなる人には、ご自身のビジョンを実現するために、リヴァを活用してもらいたいと思っています。
私は、いまのリヴァには志あるいいメンバーが揃っていると自負しています。皆さんがそのメンバーたちと力を合わせて、一人では実現できなかったことにチャレンジしてもらえれば嬉しいです。
株式会社リヴァ
代表取締役 伊藤崇
代表ブログ