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対談

2018.01.09

【新春特別対談】元住吉こころみクリニック 大澤亮太×株式会社リヴァ 伊藤崇

施設内に内科と心療内科・精神科を併設し、心身をトータルで支える医療を提供することで注目されている元住吉こころみクリニック。その代表医師である大澤亮太先生(精神科医/写真右)とリヴァ代表・伊藤崇が対談し、メンタルヘルスに関する医療・支援を取り巻く課題や、その改善策などについて意見を交わしました。

大澤亮太先生 元住吉こころみクリニック代表医師

精神科医。診療の傍ら、メディカルサイトサイト「医者と学ぶ心と体のサプリ」の管理人として情報発信にも積極的に取り組んでいる。(株)産業医グループこころみ副代表。

求められているのは“マイナスからプラスへ”のサポート

伊藤:リヴァではサービスの多角化を模索する中で、医療法人の設立を検討していた時期があり、私たちの理念に共感して協力してもらえる医師の方を探していたんです。そんな時に共通の知人の紹介を通じて知り合ったのが大澤先生でした。

大澤:私はリヴァさんのWebサイトを拝見して「休職前の姿に“戻る”のではなく、より自分に正直な人生へ“進む”ことを目指す」という姿勢に興味を持ちました。一般的なリワークは「マイナスからゼロに戻す」という考え方が中心。私はそれについて「やむを得ない」と感じながらも、何か違和感を覚えていたんです。「復職」の“復”という字からして、「もとの状態に戻る」という意味ですしね。

伊藤:初めて先生とお目にかかった時、2時間以上話し込んだことを覚えています。私たちが思い描いていた「柔軟な思考を持つ若いドクター」というイメージに、まさにピッタリの方だと思いました。ところで、大澤先生は高校卒業後に一度、大学の経済学部に進まれていますよね?

大澤:最初の大学は、実はあまり深く考えずに入学してしまったんです(笑)。ひとまず会計士を目指すことにしたものの、勉強をするうちに会計士という仕事が自分に合っていないんじゃないかと感じ始めまして。そこで一念発起し、大学に籍を置いたまま、医学部を受験したわけです。

社会に蔓延する「心のトラブル」の解決に貢献したい

伊藤:精神医療の道に進まれたのはどうしてですか?

大澤:きっかけは大学卒業後の初期研修で、ある大学の保健室に勤務したことです。受診しにくる学生のうち、実に4分の1ほどがメンタル系の疾患を抱えていました。そこで「彼らはこのまま社会に出ていくのか。何とかしなければいけないな」…と考えるうちに、産業医という道が見えてきたんです。

伊藤:企業で働く人々の健康管理を行う産業医は、メンタルヘルスの領域に関わることが多い仕事ですよね。

大澤:私はメンタルクリニックで働きながら、産業医としての活動をスタートしました。大きな病院で提供する医療は、統合失調症や双極性障害などを対象とする管理型のモデルが中心になってしまいますから、クリニックで日常的なメンタルヘルスについて学ぶことが必要だったんです。
その後、中央省庁や民間企業で嘱託産業医を務めたり、紫雲会横浜病院で入院診療を担当するなどして経験を積んだ後、2017年4月に元住吉こころみクリニックを開院しました。

エキスパートが協力して一人ひとりに最良の治療を提供

伊藤:元住吉こころみクリニックでは「『こころ』と『からだ』の専門家が連携した医療」をテーマにされていますが、内科と心療内科・精神科の2診体制というのは、患者さんにとって心強いですよね。

大澤:こういったコンセプトのクリニックはほかにもありますが、どちらかの科を専門とする先生が兼任していることが多いんです。一方、私たちはそれぞれの領域のエキスパートが診療に当たります。心身症など「どちらで相談すればいいか分からない」という方でも安心して受診していただけますし、診療科間の紹介もスムーズです。そもそも、心身にまたがるトラブルを抱えている患者さんが、別々のクリニックから薬を出されているのは、望ましくありません。

伊藤:先生はメディカルサイト「医者と学ぶ心と体のサプリ」も運営し、心身の健康に関する情報を発信されています。

大澤:もともとは自分自身が勉強を怠らないために、情報をまとめ始めました。現在では、限られた診療時間の中で効果的な治療を行うための“患者さん用の資料”という側面もあり、「ここを見てさらに理解を深めておいてください」というような使い方をしています。
それから、心の健康についての正しい情報を届けるということも大きな狙いの一つです。おかげさまで、いまのところ月に100万を超えるPVがあります。

伊藤:Web上には信憑性の低い情報も溢れていますが、専門知識のない人がその良し悪しを見極めるのはとても難しいですよね。「医者と学ぶ心と体のサプリ」のような信頼できる情報源があるのはありがたいです。

うつを患う人へ最適な治療やサービスを提供するために

伊藤:日頃、メンタルヘルスに対する医療や支援のあり方について、どのように感じていますか?

大澤:街のクリニックに来られる方は「うつ病」「不安」「落ち込み」など、神経症圏の症状が中心。それなのに、大病院で行われているような統合失調症や双極性障害の治療の知識を持ち込んでいる先生が少なくないようです。そこで用いられているノウハウは、患者さんとのコミュニケーションが重要になるうつ病などの治療に適したものではありません。きちんと医師を教育するシステムが構築されることも必要ですね。

伊藤:なるほど、同じ医療機関でも違いがあるのですね。「再就職・復職支援施設」でも、対象となる疾患や就労の有無によってトレーニング内容が異なってきます。
未就労の方や特定の疾病・障害を抱えた方には「ビジネストレーニング」や「単純作業」が適している場合もありますし、豊富な社会人経験を持つ方に対しては職場へ復帰するために役立つ「実践的なトレーニング」の提供が必要です。しかし、後者のような利用者さんに対して、あまりにも単純な作業を課す施設もあるようで、「ミスマッチを感じた他の施設をやめて、実践的なトレーニングを行うリヴァトレに来た」という方も少なくありません。

大澤:グルメサイトではありませんが、よりよい治療やサービスを提供している医療機関や施設が評価され、周知される仕組みがあればいいですね。患者さんにとっても価値がありますし、メンタルヘルスをめぐる医療や支援の全体的な質の向上にもつながると思います。

伊藤:未だ社会に、精神疾患をオープンにしにくい雰囲気があるのも問題ですよね。社会復帰に向けた支援サービスについても情報が不足していて、利用を希望している方が、十分な情報に基づいた判断ができない状況です。だから、このリヴァマガでも体験談などを積極的に発信していこうと考えているんです。先生は今後、どのようなことに取り組もうとお考えですか?

大澤:まずは、医療サービスのクオリティを維持・向上させながら、“等身大”の業務規模拡大を図ることですね。産業医出身ということもあり、復職支援などを手がける企業との連携も思い描いています。

伊藤:その実現ために、リヴァとしても何かしらお手伝いできれば嬉しいです。今日はどうもありがとうございました。

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この記事を書いた人

野村京平
株式会社あどアシスト
コピーライター

1977年三重県生まれ。銀行→広告会社→うつ(リヴァトレ利用)→広告制作会社(現在)。消費者のためになった広告コンクール、新聞広告賞、宣伝会議賞等を受賞。一児の父。

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